外交特権が与えられていた豪人救出ダイバー2人

タイの少年チーム救出作戦失敗の場合の責任免除

 タイ北部の鍾乳洞に閉じ込められていたフットボール・チームの少年12人とコーチ1人の救出作戦は元タイ海軍SEALs(特殊部隊員)1人が作業中に酸欠で死亡するという悲劇を伴ったが、13人は無事に救出された。その陰に様々なドラマが少しずつ伝えられてきている。

 救出にはオーストラリア、イギリス、アメリカ、SEALsのダイバーがそれぞれの特技を活かした連係プレーを取っていたが、一方で失敗した場合の責任など複雑な法的問題も考慮された。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 オーストラリアの2人のダイバー、SA州アデレードの麻酔科医、リチャード・ハリス医師とWA州パースの引退獣医、クレーグ・シャレンの2人がABC放送の時事番組「Four Corners」に出演し、救出作業の苦労を語った。

 2人は13人に付き添い、その体調などを診察し、13人に救出作業への準備をさせていた。洞穴内は熟練したダイバーでも困難がつきまとい、まして泳ぎもできない13人を連れ出すのは至難の業で、そのため、オーストラリア政府とタイ政府が交渉し、万が一失敗しても刑事や民事の責任を一切免れる外交特権を与えることで妥結した。

 イギリス側のジェーソン・マリンソン氏は、「以前に生きている人間を洞穴から救出する経験をしたことがあるが、水中ではパニックを起こしやすいものだ。子供にはなんとでも言えるが、実際に子供を水の中に引きずり込むとパニックを起こすものだ。そのため、13人には救出作業時に昏睡させた。ハリス医師がいなければそれも不可能だっただろう」と語っている。

 また、アメリカ側のチャールズ・ホッジズ米空軍少佐は、「子供達にダイビングをさせる案は最後の手段だった。また、水が引くまで待つという案も否定された。子供達が洞穴で何か月も過ごすためには1日に1食としても1,800食を運び込まなければならない。それは現実的ではなかった。そのため、地元の村で子供達を集めてプールでダイビングをさせる模擬訓練を行い、どういうことが起きるか、それにどう対処するかが話し合われた。また、洞穴内でも13人に水に入る訓練を施した。

 救出作業中はハリス医師が3日間13人の閉じ込められた空間にとどまり、子供達を落ち着かせ、救出作業の準備をさせた。最後の1人が運び出されると、その瞬間に洞穴入り口に居た人々の間から歓声がわき上がったという。その後に洞穴内にいた救出作業の人々も順番に出てきた。

 救出されたコーチと一部の子供はミャンマーから逃れてきた家族で国籍がないため、タイ政府は無国籍者にタイ国籍を与える作業を進めている。
■ソース
Thai cave rescue: Australian divers given diplomatic immunity in case risky mission went wrong

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