「アサド大統領の権力は合法性を喪失」
2月8日、ケビン・ラッド外相は、シリア大使館の最高位置にいる外交官を呼び、「アサド大統領政府はシリアを統治する法的正統性を失った。大統領は直ちに辞任するほかない」とオーストラリア政府の意向を伝えた。
ラッド外相は、シリア大使館のジャウダト・アリ代理大使を連邦議事堂の外相執務室に呼びつけたもので、外相は、「11か月前に始まった反政府運動に対して、バシャル・アル=アサド大統領政権は最近になってますます武力攻撃を強めており、流血の事態が拡大している。オーストラリア政府はこの事態を深く憂慮する」と伝えている。
ラッド外相執務室が発表した概要によると、「アサド政権が自国民に銃を向け始めた時、政権の法的正統性が失われた。今はもう権力を手放すしかない。また、政府軍による市民に対する暴力の証拠は反論のしようがない。また、虐待や戦争犯罪容疑、人道犯罪容疑の数がますます増えており、これを座視することはできない」と伝えた。
さらに、「我が国がシリア政府に伝えることははっきりしている。アサドはこれ以上の犠牲者を出す前に出口を見つけて退場することだ。流血の惨事を直ちに終わらせ、シリア国民主導の政治的解決を目指さなければならない」と語った。その上で、ジャウダト代理大使には、「豪外相の見解をアサド大統領とシリア外相に伝えてもらいたい」と指示した。
外務省は、「シリア国内にはオーストラリア国籍者が110人滞在しており、駐シ豪大使館が彼らとの唯一の窓口であり、シリアから大使館を引き揚げることはできない」と発表している。ラッド外相はさらに、アラブ連盟のナビル・アルアラビー事務総長とも会談し、議題は、暴力を終わらせるために、世界がアラブ連盟にどのような支援をすることができるかということに終始した。特に、有志諸国連合を組織し、アサド大統領に圧力をかけて退陣させる手順について話し合った。
2011年3月に政府と反政府派の対立が顕在化して以来5,500人が犠牲になったと推定されている。(AAP)
