豪海軍、海上自衛隊潜水艦に関心示す

コリンズ級潜水艦の失敗教訓に信頼できる技術をと

 7月9日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、国産のコリンズ級潜水艦が様々な技術的欠陥に祟られたことから、オーストラリア国防軍海軍が、海外の既成技術を採用することも射程に入れて検討していることを報道した。

 その中で、オーストラリア海軍の「次期潜水艦プログラム」を指揮するロワン・モフィット海軍少将や、主任防衛科学者のアレグザンダー・ゼリンスキー博士は、3年前から日本国海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦(ひらがなが正式名称だが、漢字は「大日本帝国海軍」時代の艦名と同じく蒼龍。三菱重工、川崎造船)を見学するため、訪日すると報じられている。

 敗戦後、日本は軍事技術、武器兵器の輸出を禁じてきたが、日本政府は、昨年12月に一部防衛力輸出を解禁している。6月には、自衛隊海上幕僚長の杉本正彦海将が訪豪した際に、そうりゅう型潜水艦の技術をオーストラリアに輸出することも話し合われた。

 2009年にキャンベラが発表した防衛白書では、2020年代後半から現行のコリンズ級潜水艦の後継として新型潜水艦12隻を就役させることになっているが、同白書で要求されている規模や性能の従来型潜水艦は、4,200トンのそうりゅう型が世界でも唯一となっており、ドイツやフランスの潜水艦ははまだ開発に何年かかかる。モフィット海軍少将は、「日本の潜水艦の性能は私達にとっては魅力であり、私達も期待している。また、日豪両国はアメリカとの軍事同盟でアジア太平洋地域を守備範囲とする共通点があり、それが日本の潜水艦の設計にも反映されている。その結果、潜水艦の設計や設計発展の形も全面的に優れた潜水艦と呼んでいい水準に達している」と語っている。
 更に続けて、「しかしながら、潜水艦技術は一国の工業技術の精華といってもいい複雑な技術であり、知的財産保護の面ではかなりの機密を要する部分がある。特に日本やアメリカのように独自に開発してきた場合にはなおさら、知的財産保護に神経質になる。日本は潜水艦技術に巨額の金を投資してきたからなおさらそれを保護しようとするのは当然だ」と語っている。

 2012年度予算で豪海軍は次期潜水艦隊開発に2億1,400万ドルを割り当てられており、4つの選択肢が用意されている。まず、既存軍用品(MOTS)と呼ばれる現在どこかの国で就役している潜水艦の購入、第二にMOTSをさらに改良大型化する、第三にコリンズ級の改良大型化、第四にオーストラリアで新たに設計、がある。しかし、そうりゅう型が理論的に購入可能にならない限り、既存軍用品としての選択肢はドイツ、フランス、スペインの2,000トン級しかない。(NP)

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