日本の石炭専用船船員3人死亡

6週間の間に異なる死因で次々と

 9月15日付で、パナマ船籍、日本郵船所属、八馬汽船運営の「セージ・サジタリウス」で船員が海に転落して行方不明になり、他の船員が何者かを怖れて船室に立てこもっているという報道があったが、その後、さらに1人が階段から転落して死亡し、NSW州警察がその捜査を続けているが、10月6日にも、日本で荷揚げ中にさらに船員1人が死亡していたことが明らかになり、ABC放送が3件の死亡事件を取り上げている。

 以下は、ABC放送の報道内容。最初の事件が起きたのは、8月末で、同船が、ケアンズの北東450カイリ(約830km)のチモール海公海上を航行中に船員一人が行方不明になった。海員労組では、「行方不明の船員は、労働条件で苦情を訴えようとしていた」との情報を発表している。この事故の捜査のため、同船はポート・ケンブラに停泊するよう命令を受けた。しかし、その後何日かして、同船がニューカッスルに入港する直前にさらに船員1人が階段から転落し、死亡した。この船員の死亡事故は、現在もNSW州警察が捜査を続けている。また、ポート・ケンブラでも最初の船員行方不明事故についてNSW州警察の捜査が続けられている。ところが、10月6日、同船が日本で積み荷の石炭を荷揚げ中に、八馬汽船に雇われていた社員がコンベヤー・ベルトに挟まれ死亡するという事故が起きていた。同船が、日本に向けてニューカッスル港を出港する前に、船員の安全を監督するため、その社員が同船に乗り込んでいたとされている。

 国際運輸労連(ITF)のディーン・サマーズ氏は、「この3人目の死者は、何週間も報告がなかっただけに非常に怪しい。この事件は、オーストラリアの捜査員が同船のログブックに添えられたメモを見て初めて明らかになった。その監督は、船員の福祉と安全を守るために船に乗っていたのだが、10月6日に死亡したのがその監督だ。今日は10月29日だ。その事故が業務上の事故であれば、しっかりした当局なら、この事故に胡散臭さを感じてとっくに立件しているものと期待して当然だと思う。しかし、私たちの知る限り、そうはなっておらず、未だに捜査中ということだ。過去にも2件の疑わしい事件が起きていることを考えれば、すぐに結論を出すわけにはいかない。政府がタスクフォースを編成し、豪連邦警察、NSW州警察、日本の警察合同で直ちに3件の海員死亡事件を捜査すべきだ。」と要求している。

 オーストラリアの警察は、なぜその船で3件も立て続けに死亡事故が起きたのかを今も捜査中だが、20年前に国際海運業界を変えた報告書を作成した人物は、「海運業界全体を再度捜査すべき時期だ」と語っている。「Ships Of Shame」と名付けられたその報告書は、老朽船が海員の安全衛生問題を引き起こしていたことと、海員の待遇問題について切り込んだもので、ピーター・モリス元連邦運輸大臣が、指揮して調査した。モリス氏は、「この報告書の後、国際海運業界はかなり改善された。しかし、セージ・サジタリウスで起きている事件は非常に問題だ。船員達は死亡事件について口外しないよう圧力をかけられているのではないか。1992年の調査時にも同じようなことがあった。船員達は脅されていたし、食事もろくに与えられなかった。外との連絡もできず、起きていることを外部に伝えることもできなかった。この船の状況を考えると、直ちに司直の手でこの船を捜査すべきだし、この船で起きていることは他の船でも起きている可能性があると考えるべきだ」と述べている。連邦警察とNSW州警察は今も最初の2件について捜査を進めている。(NP)

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