ナウル政府、突然の豪人判事罷免

収容所暴動裁判直前、豪関与否定

 難民希望者がオーストラリア領土に入るのを防ぐため、オーストラリア政府が巨額を投じて領外難民収容所を運営しているナウルで、同国政府が同国唯一人の簡裁判事であるオーストラリア人判事を突然理由の開示なく罷免し、同じくオーストラリア人の同国最高裁長官の入国ビザを取り消した。簡裁判事は、先に起きた難民収容所暴動事件の審理を始める矢先だった。この措置で暴動事件の裁判が混乱状態になることは避けられない。トニー・アボット保守連合連邦政権はナウル政府の措置には一切関与していないと否定している。

 1月19日、ナウル政府はピーター・ロウ簡裁判事との雇用契約を打ち切り、即時警察官の付き添いで空港まで送り、オーストラリア行き飛行機に乗せた。そのため、ロウ判事は自宅に荷物を取りに戻る機会も与えられないという異常な事態になった。

 ロウ判事は、2013年7月に起きた収容所暴動事件で起訴されている152人の難民希望者の裁判を始める予定になっていた。オーストラリア連邦の外務貿易省(DFAT)は、「ロウ簡裁判事がナウルから国外追放されたと理解しているが、すべてはナウル政府の問題だ」と発表している。また、元VIC州最高裁判事のジェフリー・イームズ・ナウル最高裁長官が、ロウ判事罷免の一時停止を命じて発行した差し止め命令もナウル政府が無視した。イームズ長官は、「この罷免は政治的動機によるものであり、法治の原則を侵害するもの」と非難している。

 19日夜にはイームズ長官がナウルに飛ぶ予定だったが、長官のビザが取り消されたために予定を中止しなければならなくなった。ビザ取り消しはバロン・ワカ・ナウル大統領の命令によるものと理解されている。暴動事件裁判が今週から始められる予定だったことに加えて、イームズ長官も、オーストラリア政府の命令でナウルに送られた難民希望者が収容されている状況についてナウル政府に懸念を表明しており、また、ナウル政府が暴動事件裁判を収容所内でメディア非公開で実施しようとしていたことにも反対していた。

 保守連合豪連邦政府が難民希望者問題を国民の眼から隠そうとしている事態に加えて、ナウル政府も同じ方向で措置を進めていることで今後さらに疑惑が高まることと予想される。(NP)

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