豪、インドとウラン輸出契約調印か

NPT非批准国禁輸解除以来初

 8月18日、オーストラリア政府とインド政府の間でウラニウムの輸出契約が成立したと伝えられている。

 インドはパキスタン、イスラエルとならんで核兵器を所有し、かつ核拡散防止条約(NPT)には未署名であり、そのため、オーストラリアは、脱退した北朝鮮、条約を批准しているが敵性国とされるイランを加えた5か国に対するウランの輸出を禁止していた。しかし、2012年にアメリカが対中国戦略でインドと核技術提携の交渉を始めたの続いてオーストラリアもジュリア・ギラード労働党政権がマーケットを失う手はないと、インドへの核燃料輸出解禁を決めた。

 8月18日、ABC放送は、「インド政府がオーストラリア政府に、オーストラリア産ウランが核燃料に使われることはない保証を示したようだ」と報道している。トニー・アボット豪首相が9月にインドを訪問し、正式にウラン輸出協定に調印する予定になっている。オーストラリアは世界のウラン埋蔵量の3分の1を握っており、最大手生産者。フランスに対しても、「ウランを核兵器に用いない」という約束で輸出しているが、オーストラリア産ウランを発電用に充てることでアフリカなどから調達したウランを核兵器に利用することができるのだから、このような保証は無意味とも言える。ただし、原発核燃料のウランは純度が数%、核弾頭用ウランは90%を超えるため、核燃料をそのまま兵器に転用はできない。

 インドは隣国パキスタンとはカシミール地域領有権をめぐって長年対立しており、しかも両国ともアメリカの世界戦略の友好国になっているため、オーストラリアがインドにウランを輸出すればパキスタンが同じ要求をする可能性があり、しかも中国とインドの対立関係から中国がパキスタンに接近することを許してしまうなど複雑な事情がからんでいる。ただし、最近になって印パ両政府が対立関係から協力関係に向かう兆しを見せていることや、パキスタンが中国から原発3基を輸入する交渉を進めていることなども、豪印の話し合いを加速させた可能性がある。

 労働党は「詳細を待っている」としながらも、「基本的に歓迎」としている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-18/australia-strikes-deal-to-send-uranium-to-india/5678258

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