和歌山県PRミッションが来豪


仁坂吉伸・和歌山県知事

和歌山県PRミッションが来豪

仁坂知事がトップ・セールス


5月7日、仁坂吉伸(にさかよしのぶ)和歌山県知事を筆頭とした、和歌山県の観光や特産品を豪州市場に紹介・展開することを目的としたビジネス・ミッションが来豪した。シドニー市内のホテルで現地メディアや旅行代理店向けに「食と世界遺産セミナー」を開催したほか、夜には食品卸やレストラン関係者に県産品を試飲・試食させるレセプションを在シドニー日本国総領事公邸で催した。官民をあげての和歌山PRの目的・内容について仁坂知事に話を聞いた。

——今回の来豪の目的は。

有望な国への和歌山の宣伝です。目的は2つ。1つは観光で、和歌山へぜひいらしてくださいということ。2つ目は産業で、和歌山ならではの美味しいものを味わっていただき買っていただきたいということ。

今回は高野山金剛峯寺の僧侶、和歌山を代表する食品メーカー4社とともに、これらを紹介するために来豪しました。

和歌山は昔から美味しいものがたくさん取れるし、観光地としても栄えていました。あんまり栄えているものだから、積極的に宣伝するようなことをしてきませんでしたし、ましてや外国にアピールすることもなかった。しかしそれじゃやっぱりダメだと。できるだけ多くの人に和歌山の魅力を伝える努力をしなければいけない。世界中にマーケットを広げる努力をしなければいけない。私が知事になって以来、それらのことを積極的に推し進めてきています。

特にオーストラリアは2,20 0万人超と人口はそれほど多くはないですが、人々はほとんど例外なく所得が高く、1人当たりのGDPが6万5,000ドルもある。オーストラリア人はもともと日本に多く来てくださっていますが、最近は特に伸び率が高いので、そういう質の高いお客様に気に入ってもらえるようなPRが必要と考えています。

——知事がPRしたい和歌山の魅力とは。

観光の観点で言うと3つあります。1つ目は「日本文化のスピリチュアリティー」。西洋の方々は、西洋文化にはない変わったものを求めに行きます。それが日本の精神世界、信仰文化だと思います。そしてその原点が和歌山にあります。

一例を挙げれば、日本仏教の聖地である高野山や、紀伊山地の霊場をつなぐ熊野古道。これは世界遺産になっていますが、この参詣道はぜひ訪れていただきたいですね。

2つ目は和歌山ならではの自然です。ちょっと湿った、しかも温帯の緑。苔が生す美しい山々です。そこでは川遊びができ、山の温泉、川の温泉があり、海岸線では海遊びができ、波のしぶきを受けながら入る海の温泉もあります。

3つ目は食。海に囲まれていますから近海魚が豊富に捕れる。那智の勝浦港は生マグロの水揚げ量日本一ですので、美味しい刺し身が食べられますし、黒潮にのって紀南沖にやって来る鯖やカツオは実に旨い。秋刀魚や鯵、鯛やクエ、伊勢海老に鮑と何でもあり、至る所で刺し身や寿司、天ぷらといった日本料理の真髄が楽しめます。

それから山の方へ行くと果物。和歌山は果物の日本有数の産地なんです。2、3月に梅の花が咲き、4月に入ると桃の花が咲き乱れる。そして5月には梅、6月からは桃の収穫が始まる。7月にイチジク、夏を過ぎればミカンや柿の収穫と、花と収穫が1年を通じてあります。

食の3つ目は日本食文化の真髄とも言える発酵食品。その原点は実は和歌山なんです。鰹節であったり、醤油であったり、酢であったり、味噌であったり。ただし大量生産品ではなく、昔ながらの製法を守り続ける製品ばかり。「元はこういう味だったのか」というルーツみたいな、玄人好みの味ですね。

——和歌山には紀州の梅があります。最近は健康面で梅の効能が見直されていると聞きます。

梅といえばクエン酸による食中毒予防や疲労回復効果が昔から知られていますが、ほかにも血液をサラサラにする血液浄化作用や、骨粗しょう症の予防や動脈硬化予防、高血圧予防、胃がん予防、糖尿病予防、インフルエンザ感染予防などの効能が研究により実証されてきています。

1日に2つ、梅を食べる。そうすればまず病気はしません。こちらでは寿司が浸透しているので、寿司の前菜として梅を食べるととてもいいと思いますし、酸っぱいのが苦手なら梅酒を飲んでもらうのがいい。食前酒・食後酒として西洋料理にも合います。

梅は健康志向の強いオーストラリア人にきっと受け入れられるはずです。

 

参加企業も和歌山県の誇る特産品の数々を紹介


日本酒、カクテル梅酒などのシェア拡大を目指す

中野BC株式会社

 海南市を拠点に、日本酒、梅酒、焼酎など酒類の製造・販売から、うめ加工製品の製造・販売、ヘルス・ケアまで、幅広い事業を展開。この度の訪問では、国内最大規模の日本酒コンテスト「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2013」で最高金賞を受賞した「純米吟醸 紀伊国屋文左衛門」をはじめ、和歌山産南高梅を使用したプレミアム梅酒、梅酒にゆずなどの果実や緑茶を加えたカクテル梅酒などを紹介した。梅酒を現地でPRする際は、現地人が濃い味を好むため、美味しい飲み方として梅酒ロックを提案している。昨年もPRで来豪した同社は、今回はフォローアップもかねて再来豪していた。豪州市場においては、メルボルンで日本酒が浸透しつつあり、続いて梅酒をさらに売り出すとともに、シドニーなどにもシェアを広げていきたいと言う。

 

 


酢へのこだわりを豪州に伝える

丸正酢醸造元

 和歌山県那智勝浦で1879年(明治12年)以来、那智の滝と同じ水源の伏流水を用い、木桶を使用した古式醸造で酢を作る醸造元。機械で酢を作る企業が多い中、ここでは1つ1つ手作りで酢を作っている。豊かな香りやコク、味が、大量生産の酢とは大きく異なる。酢のほか、すし酢やポン酢、しいたけやカツオだしなどを調合した調味酢なども作り、販売している。現在、ヨーロッパをはじめとする地域に酢を卸しており、特にシェフの間で好評を得ていると言う。今回は、昨年のオーストラリア訪問に引き続き、さらなるPR活動のために再来豪。熊野の那智で作られる酢ということで「熊野の酢」とし、世界にその味と伝統を伝えていく活動を行っている。オーストラリアでは、現地シェフへの酢の推奨を軸に、シェアを広げていきたいとしている。
 

 


醤油発祥の地で守る
伝統の醤油

角長

 醤油発祥の地、湯浅町で1841年(天保12年)以来、醤油を手作りで製造。170年ほど経った吉野杉の木桶は、今もなお使用されており、天井や梁などに付いた酵母を大切に守りながら、昔のままの製造法で醤油が造られている。大豆や小麦などの素材は国産だが、塩は豪州産の天日塩を使用。オーストラリアともつながりがあるのだ。また蛍の名所として知られる、美しい湯浅山田の水が仕込みに用いられているため、上質な醤油ができるのだという。「本物の味を分かっていただける人がいるところには出て行きたい」という思いで、オーストラリアに来ていた。現地でさらに醤油を広めていくためには、料理人からまず醤油の良さを伝えていきたいとしている。また近年、さしみ醤油などのバリエーションが増える中、真の醤油は万能調味料でどのような料理にも合うということをアピールしたいという。
 

 


紀州梅干しの老舗の
梅酒を紹介

中田食品株式会社

 高品質の紀州の梅から梅酒や梅干し、梅加工食品、漬け物などを製造・販売。現代人の生活に合わせ、さまざまな形で梅を提供する。現在23カ国に輸出しており、オーストラリアでは初めてのPR訪問となった。当日は完熟梅酒をオーク樽で熟成させた「樽」や女性に人気のカクテル梅酒、ならびに漬け物などを紹介。今回は現地での情報種集に加え、梅の成分が健康に良いということを広めていきたいとしている。同社では和歌山県で採れる、大きくて身の柔らかい完熟南高梅を使用しており、余分な糖分を抑えた商品を提供。また、モンドセレクション大金賞受賞の熊野の名水・富田の水を割水に使用しているのも特長だ。海外でのPR活動を通して感じているのは、健康への関心がとても高いということで、高品質な梅加工食品がどのように作られたのかを明らかにして、消費者の購買力を高めたいという。
 

 


日本が誇る健康食品、
梅の効能を説く

和歌山県立医科大学・宇都宮洋才准教授

 宇都宮准教授は梅博士として知られ、梅の効能を医学的に研究する日本でも数少ない第一人者の1人。「日経HEALTH」(2013年4月号)の特集「梅で血液サラサラ、細胞もキレイ!」でナビゲーターを務めるなど、メディアでも活躍中。オーストラリアではあまり知られていない梅の効能について、今回はセミナーでプレゼンテーションを行った。健康に良い梅を、梅干しや梅酒などで美味しく摂取し、毎日の生活に生かしてもらうように提案するのが目的だ。梅は胃がん予防、糖尿病予防、動脈硬化の抑制、血液浄化作用など、さまざまな効能を持ち合わせていることを実験結果などとともに説明した。また、黒潮の風と肥沃な土壌が造り出す最高品質の南高梅は、和歌山県の唯一無二の存在だとし、オーストラリアの多くの人に食べてもらいと話した。

 

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