【企業特集】2015年、各社のビジネス戦略

顧客主導型の保険が充実

エーオン・リスク・サービス ジャパン保険サービス部

Aon Risk Services Australia Limited / Japan Insurance Services

Web: www.aon.com/australia
Email: au.jis@aon.com
設立年度:1987年

国境を越えたヒト・カネ・モノの動きが加速する中、包括的なリスク・ヘッジが現代の企業活動にとって不可欠と言える。比較的カントリー・リスクが低いと言われているオーストラリアでも、日本とは異なる風習や多発する自然災害などさまざまなリスク要因から逃れることは難しい。こうした中で、進出日系企業にとって心強いのがグローバルな大手保険サービス会社「エーオン」(本社ロンドン)の存在だ。1987年以来、オーストラリアで最大の日系企業専門チームを組織し、包括的なリスク・マネジメントのソリューションを提供する同社に話を伺った。

 

——日本とオーストラリアの保険業界の違いは?
 日本では「決まった定型の保険を保険会社がお客様に売る」という時代が非常に長く続き、保険会社が主体となっているため、お客様にとっては「買うか買わないか」の選択肢しかなかった。一方、オーストラリアではお客様それぞれのリスクに合わせて保険を組み立てるテーラー・メイド型の保険アレンジが通常です。つまり「お客さまが主導」なのです。

 

——御社が担う役割とは?
 私たちはお客さまの一部です。お客さまの業務活動の中にどのようなリスクがあり、そのリスクをどのようにマネージメントするか、お客さまの一部として対応し、各リスクに対して、何がお客さまにとって最適かという観点より保険プログラムを組み立てます。


ジャパン保険サービス部の皆さん

 ジャパン保険サービス部は主に法人向けの損害保険を扱っています。その中で、私たちはここ約30年、日本のお客さま、特に日系企業を専門としてきました。以前ほどではないですが、オーストラリアの日系企業の数も再び増え、日本から同国への投資がさまざまな形で戻りつつあります。オーストラリアでビジネスを行うには、「法律、会計、保険」という3つの柱が重要と言われています。海外で仕事をする場合、現地の事情を知らずに業務を行い、それが事故につながってしまうこともあるため、私たちがそのセキュリティの役割を果たし、そのリスクに対して適切にアドバイスや手当てを行います。

 

——オーストラリアでビジネスを行う場合、どのような保険が必要になりますか?
 オーストラリアは天災が少ない国ですが、一度起きてしまうと被害が大きくなるのが特徴です。山火事や洪水なども起こりますし、インフラもそこまで整っているわけではありません。嵐が来れば供給が途絶えたり、電気が止まってしまうことがある。自然災害のせいで人が来られずに仕事ができない場合もある。そのような、日系企業が日本で経験しない事態、つまり外的なオーストラリア固有の問題を把握して手段を講じることが重要です。また、オーストラリアは比較的訴訟が多い国ですので、賠償責任タイプのものが発達しています。

 

——つまり御社は、オーストラリアで必要な保険を各クライアントの事情に合わせて的確にアドバイスし組み立てることが可能なんですね。
 リスクを減らす1つの方法として保険があります。私たちは日系企業に、日本とは異なるオーストラリアの保険のやり方をお伝えしています。オーストラリアでは、保険をつけるか否かの判断も、外部のコンサルティング会社から専門的なアドバイスを受けて決めることが多いのです。私たちもコンサルティングが業務の大きな割合を占めていますが、「事故が起きないようにするためにはどうすれば良いか」ということも含めてサービスの提供をしています。

 

——御社はグローバルに展開されていますよね?
 エーオンはグローバル展開を行っています。世界最大のブローカーとして主要国のほぼすべての国に支店を持ち、日本のお客さまに対してサービスを行っています。また、世界中の支店とのつながりを大事にし、そのネットワークを駆使して、国を越えたグローバル・ビジネスに対応しています。
 企業活動のグローバル化が進む現在、「グローバル保険」の具体化が進んでいます。グローバルに保険をかける、つまり「海外事業に対して包括的に保険をかける」ということです。それにより、より有利な条件で漏れがない保険アレンジが可能となります。

 

——今後はどのような点に力を入れていこうとお考えですか?


AON外観

 お客様それぞれのニーズに合わせて迅速に対応し充実化を図っていく、というのが1つの抱負です。もう1つは、個人のお客さまに対しても適切なサービスを行っていきたいと考えています。昔と比べて現在のオーストラリアにおける日系企業のビジネス形態は変化しています。これまで以上に、オーストラリアの現地スタッフとともに「オーストラリア古来のやり方に日本のやり方を加味してビジネスを展開していく」ことが重要視されています。従って、損害保険などといった通常の保険を販売する当たり前のことだけでなく、それ以上のサービスが求められていますから、それに応えていきたいと考えています。

 

——メディパックという個人向け医療保険にも力を入れてらっしゃると伺いました。
 1995年以降、市民権や永住権保持者以外の人はオーストラリアの「メディケア」の受給資格が得られなくなったため、メディケアに代わる日本人一時滞在者向け医療保険「メディパック」を作りました。メディパックは、日本人にとって頻度が高い歯科治療やメガネ関連のカバーが充実しているほか、病院でのキャッシュレス対応も可能です。現在、在豪日本人の約1,000世帯がメディパックに加入されています。去年に引き続き今年も、メディパックの販売に力を入れていく予定です。

<事業内容>
 豪州で最大の日系企業専門チームを組織し、包括的なリスク・マネジメントのソリューションを提供する大手保険サービス会社。各企業にカスタマイズしたサービスの提供が魅力。現地企業のM&Aを計画する日系企業に対するデュー・デリジェンスのサービスも強化している。医療保険「メディパック」など、日系企業に勤める日本人の個人的な保険ニーズにも対応。
答えはキヤノンにあります
キヤノンオーストラリア

Canon Australia Pty.Ltd

Web: www.canon.com.au
Email: jinfo@canon.com.au
設立年度:1978年

オーストラリア市場に適した製品とサービスの提供

2014年4月には、マッコーリー・パークにある新社屋に移動した豪キヤノン。従来のカメラ、複写機といった製品販売に加え、医療器機分野やシネマ用カメラなどの製品の拡販にも積極的に取り組んでいる。特に昨今は法人向けにのドキュメント・情報管理環境を最適化して生産性の向上やコスト削減を実現するソリューション・サービス、個人向けに写真を管理・編集・共有するクラウド・サービスの展開などにも力を入れている。キヤノンの技術を核にしたハードウェア中心のビジネスモデルを維持しながらも、多岐にわたるソフトやサービスと組み合わせた総合力で、顧客の生活やビジネスに新しい付加価値を提供することを今後の戦略の中核に据えている。

イメージをより簡単に豊かに楽しむテクノロジー

同社は2014年11月に、写真に特化したオンライン保存・管理サービス「irista by Canon」(www.irista.com)をオーストラリアで開始。「irista」は、ウェブ上やPC内の写真を統合的に管理できるクラウド・サービスで、アルバムの作成や写真のシェアが簡単に行えたり、撮影日・撮影場所・撮影機材・ユーザータグなどにより目的の写真を素早く検索したり、FacebookやFlickerなどのソーシャル・メディアとのリンクにより写真を使って友人や家族とのコミュニケーションに活用することができる。またWi-Fi機能を搭載したキヤノン製のカメラで撮影した写真をiristaにダイレクトにアップロードすることもできる。15 年1月にはAdobe Lightroomによる写真編集機能を搭載し、ブラウザ上での写真の編集が可能になる。またタブレットやスマート・フォン用のアプリも登場し、大切な思い出となる写真をこれまで以上に気軽かつ安全に楽しむことができる。料金は写真の保存容量によって異なり、10GBまでは無料で使用できる。それ以上の場合は有料。詳しくはキヤノン・ウェブサイトを参照。

事業内容

キヤノンのオーストラリア現地法人で、豪州国内でのキヤノン製品の販売、サポートを提供している。一般消費者向けのカメラ、ビデオ、プリンタなどの映像製品に加えて、オフィス向け複写機、ドキュメント管理、プロ向け印刷機、医療機器、放送機器などの製品を取り扱う。シドニー本社に加え、メルボルン、ブリスベンなどオーストラリア全土に6つの支店、850人近くの従業員を抱える。1978年、欧州、米国に次いで豪州現地法人をシドニーに設立。製品の販売だけではなく、研究開発拠点のCiSRAも置くなど、グローバルな拠点の1つとなっている。

日本と海外市場の間に「無限の架け橋」を構築する
株式会社ドック

doq Pty Ltd

Web: www.thedoq.com
Email: doq@thedoq.com
設立年度:2009年

2015年は日本が誇るメーカーの海外市場におけるブランド構築を目指す

doq®はクロスカルチャーのブランド・マーケティング・コンサルタント。世界市場での日本ブランド構築を図り、主に4つの分野で包括的なマーケティングのソリューションを提供。1つ目は「文化」。米国で本格炉端レストランのブランド・プロデュースを行ったほか、豪州では国際交流基金シドニー文化センター主催の「日本映画祭」のマーケティングなど、消費者が日常で楽しめる物事を「ブランド化」して日本文化の認知向上に努める。2つ目は「製品」。職人が制作した作品を海外の消費者に届けるオンライン・サービス「WAKUMI」を展開するなど、日本独自のアイデアを世界市場に販売。今年は日本が誇るメーカーの海外市場でのブランド構築にもチャレンジする。

最終的には消費者を究極の日本体験へと導きたい

3つ目は「教育」。UNSWのMBAコース受講生や教授など約30人に対し日本企業訪問、アジア市場進出戦略会議、市場視察をデザインし、豪州ナンバー1のビジネス・スクールとアジア・オセアニアに進出する日本企業との新たな繋がりを構築。今後はさらに、社会人教育の分野で日本と豪州をつなげていく予定だ。4つ目は「ビジネス」。JETROシドニー事務所主催の対日ビジネス促進シンポジウムでは、世界第3位の日本市場への投資促進のサポートを行った。最後に「観光」。これまでの4つの柱を経て、消費者を究極の日本体験へと導く。日本政府観光局をはじめ各自治体の観光局、航空会社、リゾート会社やテーマ・パークと強固な連携を組み、包括的な訪日マーケティング・プロモーションに取り組む。観光における日本での経験こそが、日本ブランドの最も強い要素だ。海外在住の消費者が自国内の日常で日本に触れる機会を更に創出し、日本をより身近に感じさせ、最終的に更なる訪日観光へと導き、それらを繰り返す「無限の架け橋」を構築することが私たちの使命である。

事業内容

マーケティング戦略のコンサルティングやクリエイティブ・キャンペーン、プロモーション、イベント、メディア・バイングなどを実施管理。お客様のビジネスの成長に貢献してきた経験と実績を持つ。

高品質な食材を提供する総合食品卸売会社
三愛トレーディング・オーストラリア

San-Ai Trading Australia Pty Ltd

Web: http://san-ai.com.au
Email: contact@san-ai.com.au
設立年度:1996年

シドニーの日本食ブームを下支え、プロの味にプロの食材を!

「良いものを安く提供する」をモットーに、肉類、野菜類などの食材をホテルやレストランなどに提供する総合食品卸売会社。各部門で業務に特化できるよう会社を分社化し、お客さまにより良いサービスを提供できるよう日々目指している。受注・発注・出荷の物流体制を総合的に調整し、新鮮な食材をお届けする高品質の管理体制を構築、プロの味にはプロの食材を提供している。また、オーストラリアでの寿司やラーメンなどの日本食ブームに貢献するほか、ハラール認証(イスラム法上で合法的な食材)を取得するなど、日本食以外にもイスラム教徒向けの食材提供を行うなどして、さまざまな民族・宗教などの食文化を支援している。

2015年も既存業務にとどまらず各方面において事業拡大を検討

2015年は食品卸売業務で、セントラル・キッチンを立ち上げ、食肉加工および多種多様な惣菜をレストランやホテルなど飲食業店へ提供する。食品卸売業務をはじめ、持ち帰り店などの小売業務、ファームなど製造・収穫業務への業務拡大を図る。小売業務においては、食品卸売会社だからできる厳選された肉、野菜などを使い、丼や各種日本食のお持ち帰りショップの展開を検討。製造・収穫業務においては、現在の自社ブランドの豪州産米に加え、自社ブランドの和牛や各種肉類の販売も考えている。食品以外においても日本の優れた技術を用いた自社ブランドの除菌剤や消臭剤などを提供する予定だ。今後は、オーストラリア国内における、食品卸売業務、小売業務、製造・収穫業務といった食の一貫業務に止まらず、日豪EPA(経済連携協定)、豪中FTA(自由貿易協定)、ASEAN諸国とのFTA、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、自由貿易地域の拡大を見越して、オーストラリアの良い食材や食品を日本、中国、東南アジア諸国へ輸出することを検討中だ。

事業内容

食肉を取り扱うMeats Inc(ミート・インターナショナル)、野菜を取り扱うAtlantis Farm(アトランティス・ファーム)および什器備品を取り扱うPlanet Packaging(プラネット・パッケージング)からなる総合食品卸売会社。Meats Incは和牛をはじめビーフ、チキン、ポークなど各部位を提供。Atlantis Farmは各種野菜や果物、自社ブランドの豪州産米などを提供。Planet Packagingはナプキンや持ち帰りバッグ、洗剤などを提供。現在、ホテルやレストランなどに加え、日本料理店、寿司チェーン店、韓国BBQ店、インド料理店、中国料理店など、シドニーCBDを中心に取引先は200軒を超える。

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