進出日本企業インタビュー 第16回「ガリバー・インターナショナル」

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第16回
株式会社ガリバー・インターナショナル

内山千章

海外事業部オーストラリア事業推進室セクションリーダー

日本の中古車買い取り・小売大手ガリバー・インターナショナルはこのほどオーストラリア現地法人を立ち上げ、5月15日に中古車買い取り事業をスタートした。当面は在豪邦人を対象とした買い取りサービスを主眼に置くが、今後は成長性が見込める現地の中古車市場での大規模な小売り展開も視野に入れている。事業立ち上げのためシドニーに乗り込んだ内山千章・海外事業部オーストラリア事業推進室セクションリーダーに話を聞いた。 (インタビュー=ジャーナリスト・守屋太郎)

 

信頼の中古車買取販売サービスで
日系コミュニティーに貢献したい

 

——創業以来約20年にわたって急成長してきました。ガリバーという企業の概要について教えてください。

現会長の羽島兼市が1994年に創業した比較的若い会社です。以前の中古車業界は、例えばA社が見積もれば5万円、B社なら10万円といった具合に、適正な価値があいまいな世界でした。そこでガリバーは、中古車の買い取りに特化したビジネス・モデルを立ち上げ、消費者が全国どこで愛車を売っても統一した価格を提示することで、適正な価格の中古車の流通を可能にしました。

また、ガリバーはお客さまから買い取らせていただいた車が2週間以内に売買が成立しなかった場合にはオークションで敏速に売却することでリスクを軽減しロー・コスト運営によって生まれた利益をお客さまに還元する仕組みを確立したのです。

2003年には東証一部に上場。順調にネットワークを拡大し、現在、日本全国に約450店舗を展開しています。高級中古車販売チャネルの「リベラーラ」や大型展示場「ワオタウン」など、コア・ビジネスの買い取りだけではなく業態の幅も広げています。質の高い中古車に安心して乗っていただくため、「10年間保証」や「100日間返品自由」といったサービスも提供しています。

中古車の買い取りという新しい市場を開拓したことで、業界シェア1位のマーケット・リーダーの地位を確立しました。現在では幅広い層の消費者に親しんでいただいています。

中古車の無料査定を行うガリバーのスタッフ

 

——海外展開にも力を入れていますね。

ガリバーは、創業当初から世界に名だたる企業に成長させたいという目標を掲げています。04年に初の海外拠点を米国に設立したのを皮切りに、14年にはタイ、ニュージーランドに進出し、この5月にはオーストラリアでもサービスを開始しました。 ガリバーの海外展開には大きく分けて2つの事業モデルがあります。1つは海外在住の日本人のお客さまのお手伝いです。米国事業がこれに当たります。2 つ目は海外向け現地ブランドの展開です。中古車に対する輸入規制がないニュージーランドは後者のモデルで、日本で販売している中古車を画像販売にて販売しています。一方、タイではフランチャイズ店を通して中古車の販売を行っています。

日本と同じ高品質なサービスを提供

——オーストラリアは現在、中古車1台当たり1万2,000ドルの関税を課しており、実質的な輸入規制を行っています。そうした中で、あえてこの国に進出した狙いと、目指す事業モデルについて教えてください。

ガリバーは18 年に国内と海外で合計800店舗展開を目指しています。海外市場を地域別に見ると、今後の成長性が高いのは東南アジア諸国連合(ASEAN)とオセアニアです。その中で、交通法規が左側通行・右ハンドルで、かつ中古車市場の成長が期待できる先進国となるとオーストラリアしかありません。

そこで、当面は現地在住の日本人のお客さまの車の買い取りをお手伝いすることを主眼に、海外在住邦人数が世界で6番目に多いシドニーに進出することにしました。邦人数1位のロサンゼルス、3位のニューヨーク、4位のバンコクには既に拠点を置いていますので、シドニー進出は必然的な流れだったわけです。

海外在住日本人の買い取りに特化した事業モデルでは、先行している米国で大変好評をいただいています。日本に帰国される際、最後まで車を使いたいという人は非常に多いのですが、個人売買で車を処分するのはとても面倒です。ガリバーなら、空港まで運転して行ってもらえます。当社が空港で車を引き取り、売却代金も日本の口座に送金しますので安心してご利用いただけます。

ウェブサイトのコンテンツも今後充実させていくという

 

——オーストラリア事業の中長期的なビジョンについてお聞かせください。

規制上、日本の中古車を輸入して販売するのは難しいのが現状です。しかし、オーストラリアで現地生産を行っている自動車メーカーがすべて17年中に撤退することが既に決まっており、将来的には状況が変わる可能性はあるのではないかと期待しています。

オーストラリアの中古車市場はこれからどんどん成長していくと見ています。新車市場の年間約110万台の高い水準で推移していることから、今後は中古車市場も熟成されていくでしょう。好調な新車需要が続けば、おおむね5年以内にはしっかりとした中古車市場が形成されると予想しています。

現在は日本人のお客さまを対象とした買い取り事業に特化していますが、これを足がかりにして今後はオーストラリアの現地中古車市場への参入も視野に入れています。年内には小売事業にも進出し、20年にはガリバー・ブランドで全豪100店舗展開を目標に事業を拡大していきたいと考えています。

まずは米国事業の立ち上げから関わった経験を生かし、現地生活を少しでも安心して過ごしていただけるよう日系社会に貢献していきたいと考えています。既に日本でガリバーのサービスを利用された方も、初めてのお客さまも、オーストラリアでも日本と同じ高品質なサービスを提供させていただきますので、車に関する質問があればお気軽に問い合わせてください。また、日本に帰国された後も、米国やニュージーランド、タイに赴任される際も、現地のガリバーを紹介いたしますので、世界規模でガリバーのサービスを利用していただければと思います。

●PROFILE
うちやま・ちあき
<略歴>1969年東京都生まれ。94年オーストラリアへワーキング・ホリデーにて来豪。99年末に日本帰国。2004年株式会社ガリバーインターナショナル入社。08年よりGulliver USAへ。13年より米国責任者として15年1月末まで勤務。

<トップに聞く10の質問>
1. 座右の銘:Time is money.
2. 今読んでいる本:「グラスホッパー」「テロリストのパラソル」
3. 豪州の好きなところ:(以前住んでいたので)Memories
4. 外から見た日本の印象:Japan as No1
5. 好きな音楽:All of Music
6. 尊敬する人:会長
7. 有名人3人を食事に招待するとしたら誰?:ミック・ジャガー、スティーブン・タイラー、安倍首相
8. 趣味:音楽、釣りなど
9. 将来の夢:走り続けること
10. カラオケの十八番:Bohemian Rhapsody
<会社概要>
英文会社名:Gulliver Australia Pty Ltd.
事業内容:自動車の買取事業、販売事業、その他自動車流通に関わる事業
設立:2015年2月
連結会社:株式会社ジー・ワンファイナンシャルサービス
株式会社ガリバーインシュアランス
Gulliver USA, Inc.、Gulliver Thai Land,
Gulliver New Zealandなど

 

<ガリバーインターナショナル沿革>
1994年 ガリバーインターナショナル設立
2003年 東京証券取引所市場第一部に指定
2004年 初の海外拠点としてGulliver USA, Inc.を設立
2012年 日本における2012年版「働きがいのある会社ランキング」に23位ランクイン
2015年 Gulliver Australia Pty Ltd.を設立

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