第6回 人材採用と雇用基準

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豪州でビジネスを始めるには?

第6回 人材採用と雇用基準

オーストラリアで従業員を雇用する際には、雇用主としてさまざまな法的責任と義務が発生します。経営初心者の場合は、その責任の重大さを従業員採用後に初めて認識し、「こんなはずじゃなかった」という結果にもなりかねません。そのような事態を避けるために、経営者は前もってしっかりと最低雇用条件を理解しておくことが非常に重要です。

それでは、QLD州での雇用条件はどのように定められているのでしょうか?

連邦政府は2009年7月1日に「Fair Work Act 2009」と呼ばれる雇用条件に関する法律を制定し、それまでの州ごとの管理から、連邦政府主体の雇用基準管理体制へと移行しました。この新しい管理体制の下、QLD州では10年1月1日から、「National Employment Standard (NES、全国雇用基準)」と、「Modern Award(モダン・アワード)」と呼ばれる業種別の賞与・雇用基準が履行されています。

NESは、国内共通の最低雇用基準のことを指し、職種に関係なく最低限クリアしなければならない雇用基準です。一方「Modern Award」は、NESに追加で課せられる業種別の雇用基準です。

まずは皆さんの業種に該当する雇用基準を入手し、できる限り詳細まで理解することをお勧めします。入手方法ですが、Fair Work Ombudsmanのウェブサイト(www.fairwork.gov.au)にあるAward Finderと呼ばれるツールを利用することで、簡単に入手できます。

例えば、レストランの経営者の場合は、「Restaurant Industry Award 2010」 という雇用基準を検索すると、レストラン運営における役職別の最低賃金や、有給休暇などの取り決めに関しての詳細が得られます。このウェブサイトには、上記のほかに、職業別の最低賃金のみを検索するためのPay Rates Calculatorや、従業員雇用の際に必要な書類の作成方法とその雛形などもあり、たいへんお薦めです。

上記の雇用基準に違反する場合は、個人経営者には最高6,600ドル、法人などの事業体に対しては最高3万3,000ドルとかなり重い罰金が科せられる可能性があります。したがって、皆さんの大切なビジネスを守るためにも、雇用基準については人材採用前に、必ず理解しておきましょう。


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【プロフィル】
渡辺哲(わたなべてつ)

●豪州CPA、税理士。不動産管理業、個人会計事務所経営、大手監査法人勤務などを経て、2010年5月よりヴィンセンツ公認会計事務所にて日系企業の会計、税務、経営の総合的アドバイスを提供するジャパニーズ・ビジネス・ソリュルーションズを設立。

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