2019年1月 ブリスベン総領事館便り

ブリスベン総領事館便り

ブリスベンで毎年行われる「日本文化の日」を長年続けてきた山田明子さん(ブリスベン総領事館提供)
ブリスベンで毎年行われる「日本文化の日」を長年続けてきた山田明子さん(ブリスベン総領事館提供)

読者の皆様は、毎年、マウント・クーサの日本庭園で開催される「日本文化の日」に参加されたことはありますか。茶道、生け花、邦楽、書道、餅つきなど、さまざまな日本文化を体験できるこの催しには、毎年約7,000人もの人びとが訪れます。

そのイベントを立ち上げた裏千家ブリスベン駐在講師の山田明子さんは、長きわたり「日本文化の日」を続けられたことがオーストラリアにおける日本文化普及に貢献したと高く評価され、2018年に日本政府より勲章を授与されました。

30年前、今は観覧車や人工ビーチなどがありブリスベン市民の憩いの場として親しまれているサウス・バンクで国際レジャー観光博が開催されました。そこに日本政府も本格的日本庭園を造園して出展。庭園の設計施工の陣頭指揮を執ったのは、建設大臣賞を受賞された造園家の小形研三さんで、山田さんは万博の日本館の茶道講師として来客者に茶道を紹介しました。万博を視察に訪れた当時の竹下登首相は、日本庭園を散策、山田さんの点てたお茶を楽しみました。万博の6カ月の開催期間中、約1,850万人もの来客者が訪れ、日本庭園や茶道を始めとする日本文化の紹介に多大な効果をもたらしました。

万博終了後、日本庭園は現在地のマウント・クーサに移転。翌89年、庭園が竣工した折、移転記念としてブリスベン市役所の協力の下、山田さんが日本庭園での茶道紹介を実施したことが「日本文化の日」が始まるきっかけとなりました。最初は、茶道の紹介のみだったのが、ブリスベンの文化関係者の協力を得て、生け花、邦楽、書道が加わり、後にはブリスベン日本クラブによる餅つきも始まって、現在の姿となりました。

山田さんは「30年前に始めた当初はどう告知したら良いか悩んで、70人ほどの方々に招待状を郵送したり、お客様がいない時は自分たちでお茶を頂いたりしていました。それが最近は、多くの来客者にお越し頂くようになって大変うれしいです。生け花、書道、コーラス、餅つきに携わる方々を始め、植物園、総領事館、茶道の生徒の皆さんのご協力のお陰で、長い間続けてこられたと思い、感謝の気持ちでいっぱいです」と同イベントの30年を振り返ります。

2019年も、8月中旬の日曜日に「日本文化の日」が行われますので、ぜひ皆様ご来園ください。その際は、万博当時から使用される茶器はもちろん、竹下登元首相の筆による日本庭園の銘板、小形研三さんの記念碑にも注目頂き、「日本文化の日」30年の歴史を思い起こして頂ければ幸いです。
(投稿=中島範彦・在ブリスベン日本国総領事館領事・広報文化担当)

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