旦那はオージー「無料のチェスボードが700ドル!」

旦那はオージー

第14回
無料のチェスボードが700ドル!

【前回までのあらすじ】夫の故郷であるオーストラリアへ2010年、家族で移住。日本語教師として登録されるには、IELTSの高得点が不可欠だが、不合格続き。3週間でバイトをクビになった揚げ句、生活保護のお世話になる羽目に。けれど、無料の学校LLNPとトーストマスターズで、英語力もぐんとアップし、半年後にはIELTSの目標スコア達成&教員登録! その間、夫は屋根補修会社の営業で毎日苦労していた。

話は、教員登録8カ月前にさかのぼる。北海道から移住して、初めてのオーストラリアの暑さにグロッキー気味の私。さらにバイトをクビになったこともあって、毎日家で寝てばかりいた。ある日の午後、夫が突然電話をかけてきて「今すぐ、指定の場所まで来てくれ」と言う。我が家から車で数分の距離だし、夫は車で出かけているはずなのに……。「なぜ私が行く必要があるの?」と問いただすと、「ゴミ・ステーションにチェスボードが捨ててある。誰かに取られたら困るから、見ている。X-TRAILじゃないと運べないから、すぐに運転してきて!」との事。私はその時、うつの真っ最中。「どこにも出かけたくない……、家で寝ていたいのに」。ぶつぶつ言いながらも無理やり体を起こし、夏休み中の子どもたちも同乗させて、出かけることにした。


当時住んでいた我が家の庭には、立派なレモンの木が生い茂っていた。私は車をバックさせて庭から出ようとしていた。左後方には、オーストラリアの家庭には必ずある、高さ1.4メートル・縦横50センチのゴミ箱が2つ並んでいた。両後方の視界ははっきりしていなかったし、頭もボーッとしたまま運転していたのだろう。右後方のレモンの木に衝突してしまった。修理費は保険で出るものの、自己負担分700ドルは痛かった。

我が家定番の笑い話は、妻の下手なドライビング・テクニック

ということで、無料だったはずのチェスボードは700ドルになってしまった。夫はどのくらい怒ったかというと、全くおとがめなし。日本でも前方不注意で駐車場内で事故を起こしているからだろう。むしろ「このチェスボードはね、700ドルもしたんだよ!」と我が家のお客さまへの定番の笑い話にしていたくらいだ。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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