旦那はオージー 「臨時教師編:小学生の問題が分からない!」

旦那はオージー

第18回
臨時教師編:小学生の問題が分からない!

【前回までのあらすじ】夫の故郷であるオーストラリアへ2010年に家族で移住。日本語教師として登録されるには、IELTSの高得点が不可欠だが、不合格続き。3週間でバイトをクビになったり貯金が底をついたりと、散々。しかしトーストマスターズで英語力もぐんとアップし、半年後に目標スコア達成&教員登録!

念願のオーストラリアの教員免許を取得できたので、教育委員会に登録した。急病・出張などで休んだ先生の代わりに、臨時で教えるお仕事だった。初めて小学生を教えることになったが、子どもたちはひっきりなしに何かを訴えてくる。「先生、トイレに行っていいですか?」に始まり、「○○ちゃんがいじめた」「××君が私のシャープ・ペンを取った」「私のノートが見つからない」「○○君が私の席に座っている」「次は何をするんですか?」(さっき説明したばかり!)などなど。小学生だから当たり前の言動なのだろうが、今まで高校生しか教えたことがない私には驚きの連続だった。

イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com
イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com

ただそれより問題は私自身の英語力だった。児童に与えられた教材が難しいのだ。私は英語で小中学校の教科を習っていないので、英文の意味をよく考えないと、何を言っているのかすぐには理解できない。例えば、算数の問題は「(1)What number is this? 7 in the tens, 4 in the thousands, 5 in the ones」など。

しかし教師としては、すぐに(分かったふりをして)説明しなければならない。そして、担当の教師が問題の答えを用意してくれているとは限らないので、内心ひやひやしながら教えていた。英語(彼らにとっては国語)の問題もしかり。小学5、6年くらいで日本の高校生レベルの英語の教材を勉強している。小4が副教材として『ハリー・ポッター』を読んでいるシーンは衝撃的だった。「そういえば小学生レベルの本だった。でも、私はまだ読んでいない……(読めないかも?)」。そんな調子で、1日終わるとぐったり。

その後すぐに、「日本語教師の臨時でお願いします」と言ったせいか、以来学期末までの10週間でたった5回しか仕事がなかった。「クリーナーやレストランのバイトしていた方が稼げる」と思った次第だ。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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