旦那はオージー 「義母の家へ里帰り。そして父と永遠の別れ編」

旦那はオージー

第21回
義母の家へ里帰り。そして父と永遠の別れ編

【前回までのあらすじ】家族でオーストラリアへ移住。IELTS目標達成で念願のフルタイムの教師へ。キャンプしながら2,500㎞北上、目指すはアサートン高原。

義母の家に里帰り1週間の「鉄人清掃人」へ

旅立つ前に、久しぶりに義母の家に寄った。結婚して8年になるが、実は一度も義母の家に招かれたことはない。夫曰く「汚い家だから入れない」ので、玄関口であいさつをして、ホテルに泊まるのが常だった。

しかし、義母が数カ月前に肺炎で入院した。私の義姉が何年かぶりに家の中に入り、その汚さに閉口。その際、できるだけ清掃したが、義姉は障がいを抱えた成人の娘がおり、長い時間は清掃できなかった。以上のことから私は、「今後、義母が病気にならないように、家を徹底的に清掃しよう」と決めていた。

義母は40代からシングル・マザーとして6人の子どもを育て、なおかつ3人の孫も育て上げた愛情深いクリスチャンの女性である。若い頃はとても働き者だったが、80代半ばになって身体が動かなくなったのだろう。家の中はテレビの『ザ・汚屋敷特集』に出てくるような状態だった。

しばらく開けていなかったと思われるダイニングの戸棚を開けると、明らかにネズミが住んでいた形跡があり(現在進行形か?)「ギャー」と叫んだ(義母の名誉のため、これ以上はやめよう)。

1週間後、見違えるように美しい家に変身した家に、義母は大喜び。友人が来た時は、玄関での応対ではなく、家の中に招き入れており、私もとても満足だった。

父との永遠の別れ

イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com
イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com

義母の町を離れて2日目。突然、私の携帯電話にメールが何本も入ってきた。当時のボーダフォンはカバー・エリアが狭く、義母の家では全く電波がなかったからだ。全て日本の兄たちからで「父死去。至急連絡請う」だった。

80代とは言え、いつも元気だった父が突然亡くなるなんて……。私が嗚咽を始めたので驚いた夫は、すぐ車を止めた。

日本にすぐ帰国したくとも「キャンプ中に失くしてはいけない」と、パスポートを引越し荷物に入れたのが仇となった。領事館へ行って再発行の手続きを取るにも、今はクリスマス休暇中で閉館中。あと5日間は開館しない。なすすべもなく、1人泣き続けた私だった。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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