旦那はオージー 「砂金堀りの旅編」

旦那はオージー

第22回
砂金堀りの旅編

【前回までのあらすじ】オーストラリアへ移住後、念願のフルタイムの教師へ転身する日が来た。2,500キロ北上、目指すはアサートン高原。

いよいよ、砂金堀りの旅へ

2年も住んでいたクイーンズランド州だが、私が見ていたのは都市部のたった一部分であった。広大な草原と、どこまでも続く青い空と白い雲。北海道も似たような風景があるが、ここまでのスケールではない。300~400キロも直線道路が続くのだ。道産子の私でさえ驚く。なぜなら、日本一長い直線道路が美唄市から滝川市まで29.2キロであり、その10倍以上の長さだ。途中居眠りしたって、同じような風景がまた広がっている。思わず車を脇に停めて、道路の真ん中で手足を広げて、ポーズしてみた。(筆者注:ドライバーは夫。私が居眠りしても怒るどころか、むしろ積極的に「寝てほしい」と思っている様子。「私が話しかけたり、質問ばかりしてくるので、運転に集中できないから」だそうだ。苦笑)


イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com

その名もエメラルドやサファイヤという町もあった。ただし、ゴールド・ラッシュは何十年も前に終わっており、皆どこかへ引っ越してしまった。そのため、12月の真夏の町中は閑散としている。大みそかだと言うのに、パブには人っ子1人おらず、店番の若いお兄さんだけがいた。彼は半年契約で、ブリスベンから働きに来ていると言った。「夜には、たくさん客が来るさ」と明るいお兄さん。こんな寂しい町で、よく暮らせるなあと思った。

夢は億万長者。でも現実は厳しい

エメラルドの町で私たちも砂金堀りを体験をしてみた。とは言っても、用意されている小石の山をバケツで洗って、

1.水道水の中につけて、桶の中で砂を流す
2.よく洗い、桶の底にたまった砂を揺り板の上に移す
3.揺り板を両手で持ち、水の中で前後に揺すって、軽い砂粒を流す
4.砂鉄の下に砂金などの鉱物が沈んでいるはず

なのだが、全く出ない。何も出ない。これは、根気がいる仕事だ。私にはとても続けられない。なのに、この暑くて水も少ない寂しい土地に住みながら、自給自足の生活を営んでいる人もいる。雨水をタンクで貯め、野菜も自分で育てる。「そこまでして夢を追い続けたいのか!?」と驚嘆した。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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