旦那はオージー 「地上の楽園編」

旦那はオージー

第23回
地上の楽園編

【前回までのあらすじ】オーストラリアへ移住後、念願のフルタイム教師へ転身する日が来た! 2,500キロ北上、目指すはアサートン高原。

2週間近くになる旅も終わりに近づいてきた。夫と子どもたちはまだキャンプ旅行を続けたがっていたが、私は早く新居を見つけて落ち着きたかった。目的地に着いて感じたことは、かつて住んでいた北海道東部に、風景が似ていることだった。緑が多く田園地帯が広がっている。しかも、かなり赤道近くなのに、気温は25度前後と涼しい。それもそのはず、ここは標高750メートルの高地だからだ。サンシャイン・コーストの夏場の気温は30~35度前後で、北海道出身の私にはきつかったが、ここは過ごしやすそうだ。すっかりアサートンに惚れ込んでしまった。

新居はサッカー・グラウンド3つ分の広さの庭&寝室が7つある豪邸

引っ越してきて良かったことはまだあった。不動産の価格が3割ほど安いのだ。以前払っていた家賃と同じ金額だと、かなりの大きさの家が借りられる。まだ最初の勤務日も来ていないのに、気が大きくなっていたのか、敷地面積3.5エーカーの庭付きの豪邸を借りてしまった。

庭にはオレンジ、レモン、みかんなどの果樹園と、トランポリンやブランコ、滑り台などの遊び場があった。家は30畳ほどのリビング・ルームが2つあり、吹き抜けの天井、15畳ほどのキッチンは大理石のキッチン・ベンチで、かなり豪華だった。

イラスト=たこり
イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com

ベッドルームは5つあり、グラニー・フラット(granny flat)と呼ばれるお客さま向けの12畳ほどの部屋(キッチン・バス・トイレ付き)が2つも付いていた。家の端から端まで39メートルの長さがあり、家のどちら側の窓からでも、美しい田園地帯を眺めることができた。「まるで夢のような生活だわ」と喜んでいたが、良いことだけでは終わらなかった。

家の中でキャンプ生活!?

この家には、1.2キロの長さの未舗装の私道があり、道幅は細いし、急カーブも含む坂道なので、夫はあらかじめ引っ越し業者に「2トン・トラックでは入れませんよ」と伝えておいた。にも関わらず、現れたのは2トン・トラック。家までたどり着けずに、そのまま荷物を持ち帰ってしまった。次にやって来たのは1週間後。その間、私たちは家の中でキャンプ生活を余儀なくされた。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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