旦那はオージー「地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その7」

旦那はオージー

第33回
地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その7

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、アサートン高原へ引っ越し、フルタイムの教師へ転身。

日豪の学校システムの違いについて(第6回)

オーストラリアの小学校の良い点の1つは、工作で使う空き箱、卵ケース、トイレット・ペーパーの芯などが常備してあるので、「お母さん、明後日までに卵ケースが3箱必要なの」などという泣きが入らないことだ。図工などで使うノート、絵の具、筆、色鉛筆、のりなどは、年度初めに保護者が各数セットで買って、学校に置いておくシステムなので、みんなの共有財産として使われている。

年度初めに、自分の物として各1セットずつ与えられるわけだが、鉛筆1本ずつに名前は書かれていない。その結果どうなるかというと、床に落ちていても誰も拾わない。「これはあなたのじゃないの?」と聞いても、「僕のじゃない」「私のじゃない」とめったに持ち主は見つからない。「無くなっても、誰かの物」「無くなったら、また新しいのをもらえば良い」という感覚で、物を大切にしようと思う気持ちは、なかなか育ちはしないようだ。

中学生になると筆記用具を持ってこなくなる生徒すらいる。そして無かったら「貸して」と教師に言う。言うだけならまだましで、「筆記用具が無いからノートを取れない」、「勉強しなくて良い」と授業に参加しないための言い訳を始める生徒もいる。

借りても借りっぱなしの場合がほとんどである。あるオーストラリア人の日本語の先生は、貸し出し用の鉛筆を40本用意していたが、1カ月もしないうちに全部なくなってしまい、その先生はひどく嘆いていた。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

オーストラリアの学校では生徒が教室の清掃をする習慣がない。しかし、そのつけは後からやって来る。

プロの清掃作業員が雇われているので、児童は自分できれいにしようと思わないのか、休み時間の教室はゴミだらけだ。「休み時間に入る前にゴミを○個拾いなさい」という先生もいるが、それは珍しい。

ペンや鉛筆、ノートまで落ちている。こういう習慣が培われたことで、ファストフード店などで食べた後に、片付けないまま店を後にする大人が多いのかもしれない。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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