旦那はオージー「地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その8」

旦那はオージー

第34回
地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その8

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、アサートン高原へ引っ越し、フルタイムの教師へ転身。

日豪の学校システムの違いについて(第7回)

オーストラリアで教師になって戸惑った事の1つが、文書での報告が多いことだ。

例えば「生徒S君が授業中に騒いでいて、何度注意しても聞かなかった。昼休みに居残り指導をしたが、次の週にも同じ事が起きたので親に電話をした」というようなことは、教師だったら誰でも経験があるはずだ。日本ではこのような場合、学年主任、時には教頭に口頭で報告することはあっても文書での報告は求められなかった。

報告書作成に丸1日掛かった教員生活1年目

しかし、オーストラリアの学校では、ネットワーク上に、生徒の個人情報とその生徒を指導した教師の名前、保護者にいつどのように連絡したのか(メールか、電話のショート・メッセージか、直接会ったのかなど)指導内容を記録しておくシステムがある。

これを最初に見た時、「すごい!なんて便利なんだろう」と感心した。

小学校の教師なら、担任がその生徒の指導歴を自分1人で把握しておけばよい。しかし、中学や高校の教科担任だと、自分以外の教師がその生徒にどのような指導をしているのか、クラス担任に聞かないと分からないからである(注:そのために日本では頻繁に会議を行ったり、夜遅くまで職員室に残って、情報を収集したりする)。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

記録を読むと、「S君は日本語だけでなく、理科や英語の教師からも結構叱られているんだな」とか「Bさんは日本語クラスでは目立たないけれど、ボランティア活動では地道に活動をして表彰されているんだ」などの情報が得られる。

しかし、自分が報告を書く番になると筆が進まない。日本では英語教師だったくせに、書けても文法的に正しいか自信がなくて、何日も放っておき「早く提出するように」と学科長から催促されたことや、「英語が正しいか確認してください」と泣きついて、ちょっと呆れられた思い出もある。

今ではさっさと書いて提出している。「公文書じゃないから、多少間違っていても大丈夫」と度胸だけはついた。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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