旦那はオージー「オージー生徒の日本旅行記 その2」

第38回
オージー生徒の日本旅行記 その2

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、清掃人、ウェートレスを経てフルタイムの教師へ転身。

空港内でラグビー・ボールで遊ぶ同僚、恥ずかしい思いをする羽目に

前任校で、高校生約20人の生徒を引率してニュージーランドにスキー研修へ行った時の事である。ニュージーランドの空港で乗り換え便を待っていた時、生徒の1人が持ち込んだラグビー・ボールを、待合ロビーで放り投げて遊び始め出したのだ。

注意しようと思ったら、なんと相手は引率教諭の1人(30代男性・イングランド出身)であった。確かにロビーはかなり広かったし、その時ほとんど人はいなかったが、ラグビー・ボールで遊ぶような場所ではないだろう。呆れてしまい、教諭にも生徒にも何も言えなかった。

その時の経験があったので、出発前に同僚に「そのような事がないようにしましょう」と伝えておいた。20代の男性教諭は「ボールは持って行かないよ」と言っていたので、安心していた。しかし、事はそう簡単ではなかった。

床に座ったり、寝転がる習慣は大人から学ぶ

日本行きの国際便は夜中の2時過ぎに出発だったので、夜11時には空港に集合、保護者との別れを済ませ、国際線ロビーへと移動した。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

すると生徒がいすだけでなく床に座ったり、なんと床に寝始めたのだ。「うわー!」と思ったが、もう寝ている生徒を起こすわけにもいかず、そのままにしておいた。たとえ起こして「床に寝るのは止めるように」と言っても、周囲の大人もやっている事に対して「どうして?」と言われるのが落ちだろう。「日本に着く前に、文化的な事を含めて教えなくてはいけない」と心に誓った次第だった。

そもそもオーストラリアでは、生徒のみならず教師まで机の上に座ったり、汚い外靴をいすの上に載せたりする行為を平気で行う(ソファー用の足載せ台である“オットマン”と呼ばれる家具が、まさしく、その用途で作られている)。

日本では電車内などで「日本人が靴を載せないように」気を使っているのに気付いた生徒たちから、新しい習慣が受け入れられた様子を見て何ともホッとした。しかし帰りの乗り換え便では、男性教師も含めて、再び床で寝る生徒が続出。なかなか新しい習慣は身に着かないと感じた。


ポップ登美子
北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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