旦那はオージー「女王様の最高級食器編」

第45回
女王様の最高級食器編

【前回までのあらすじ】極寒の北海道から、オーストラリアへ家族4人で移住。オージーの夫との一風変わった日常生活を綴っている。

オーストラリアの便利なごみ捨て事情

オーストラリアに住むようになって、一番の衝撃がごみ収集だった。各家庭に高さ1.2メートル縦横60センチメートルくらいの大きなふた付きのごみ箱が2つ(リサイクル用&焼却ごみ用)支給されており、そこにいつでもごみを捨てることができる。日本のように、朝早く出し過ぎるとカラスや猫などにごみ袋を荒らされてしまう、ということもない。

庭もガレージも広いから、そのごみ箱にかなりたくさんのごみを集めておけるし、ごみ収集日の前日に家の前の歩道にごみ箱を置いておけば大丈夫。日本と大きく違うのは、大型のごみ収集車がやって来て、ごみ箱をUFOキャッチャーの大型版のようなクレーンで挟み、空中に持ち上げてひっくり返し、ふたの開いたごみ箱からごみをザーッと収集車の中に捨てるという、何とも大胆な収集方法だ。最初見た時には、あまりの面白さに写真まで撮ってしまった。

日本の丁寧なごみ収集に、「ごみは女王様の最高級食器じゃない!」と叫んだ夫

さかのぼること16年前。日本で初めて暮らし始めた夫は、見るもの聞くものがとても珍しく楽しい時期だった。ごみ収集もその1つ。町役場で「ごみ収集に関する覚書」というA4サイズで25ページもある小冊子をもらって喜んでいたくらいだ。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

しかし、日本のリサイクル・ゴミ収集の分別の細かさは、夫には想像もつかないほどだった。1週目に段ボール箱に空き瓶をたくさん入れて出したら収集してもらえなかったことを反省し、2週目は新聞紙をきちんと畳んで、ひもで縛って出した。それなのに「新聞紙と雑誌を混在させた」という理由で、また収集されなかった。

かなりキレていたが、まだ努力はしていた。最後の週には、アルミ缶とスチール缶を混ぜてしまったので、またごみ置き場に放置されていた。するとひと言。“That’s it! Garbage is Garbage. I am not treat Garbage like a Queen’s Best China!(もういい!ごみはごみだ。僕はごみを女王様の最高級食器みたいに扱ったりしないぞ!)”と叫んだきり、二度とリサイクル・ゴミ収集について手伝わなくなってしまったのである。


ポップ登美子
北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもと共にノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムの他にも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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