旦那はオージー「重箱編」

第46回
重箱編

【前回までのあらすじ】極寒の北海道から、オーストラリアへ家族4人で移住。オージーの夫との一風変わった日常生活を綴っている。

オーストラリア人の結婚観

『ダーリンは外国人』の漫画が大ヒットしたせいもあって、外国人のダーリンに対する幻想が世の中に広まった気がする。曰く「毎朝、夫が用意した朝食をベッドまで運んできてくれる」(実際に、そういう旦那様を見たことがある。うらやましい)。日常的に「I love you」「You are so beautiful」「You are the best woman in the world」などの甘い言葉を掛けてくれる(たまに言ってくれるが、日常的ではない)。髪型を変えたり、新しいドレスを着たりすると、すぐに気が付き、「You are so good in red」などと褒めてくれる(夫は私が髪型を変えても気が付かない)。

究極のお弁当箱

我が家のエピソードを紹介しよう。

私が北海道の学校に勤務していた新婚時代、来道したばかりの夫はまだ仕事をしていなかったこともあり、家事を全般的にやってくれていた。結婚したら、家事は女性がやらなくてはいけないと思っていた私には、うれしい驚きだった。

特に一番感動したのは食事だった。残業で遅くに帰宅しても、温かいご飯を作って待っていてくれる。「結婚生活って良いものだなあ」と新婚の夫みたいなことを思う私。しかも、毎日作り立てのお弁当を学校に届けてくれるのが日課だった(私たちは、学校から徒歩数分の敷地内に住んでいた)。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

ある日、授業を終えて職員室に戻ってきた私は、机の上に置かれている物にビックリした。何と、2段重ねの重箱だったのだ。「え? なぜ?」と、一瞬、何が起きたのか分からなかったし、何かの間違いだとも思った。恐る恐る中身を見てみると、バナナとサンドイッチとヨーグルトと紙パック・ジュースという、およそ重箱には全くふさわしくない内容の物が入っていた。私は非常に混乱しながらも、周囲を見渡し、誰にも見られないようにその重箱を女性用更衣室に隠したのだった。

帰宅後、夫の感情を害さないように重箱の用途について説明したのだが、彼には全く理解できていない様子。「お弁当箱なのに、なぜ使っちゃいけないのか?」。日本人じゃないと、こういう時に大変なのである。


ポップ登美子
北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもと共にノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムの他にも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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