旦那はオージー「サイクロンとオージー気質」

第47回
サイクロンとオージー気質

【前回までのあらすじ】極寒の北海道から、オーストラリアへ家族4人で移住。オージーの夫との一風変わった日常生活を綴っている。

私たちが住むオーストラリア北部では、サイクロンが年に1、2回やって来る。大抵は小型台風のようなもので、ひと晩くらい家の中に避難していれば収まる程度のものだと思っていた。しかし、今年のサイクロンの被害は尋常ではなかった。朝起きると、何と敷地外の街路樹が高さ1.8メートルの我が家のフェンスを押し倒し、家の前に駐車していた私の車のリア・ウインドーに直撃していたのである。

街路樹は1本だけでなく、3方向から合計3本も倒れていた(注:オーストラリアでは、日本のように街路樹を頻繁に切って大きさをそろえるということはなく、伸びっ放しにしていることが多い)。

我が家のゲートから敷地まで、まるでジャングルのようになってしまい、軒先まで出るのも一苦労だったが、やっと人1人くらい出られるスペースを作ることができた。

「さて、どうやって片付けようか?」と夫と思案していると、隣人が声を掛けてくれた。

「大丈夫? 何か手伝おうか?」と言ってくれた人たちの中には、のこぎりや斧を持参している人もいたが、まるっきり知らない人たちだった。

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

傾いた木は全長15メートルもあるヤシの木で、空中でのこぎりを使おうとしても、なかなか切れないのである。そこで「チェンソーはないか?」と、近所のお宅を訪問したら、3軒目で見つかった。日本から駐在で来ていた人も手伝いに来てくれたのだが、その人は「オーストラリアの一般家庭にはチェンソーがあるのか……」とびっくりしていた。

オーストラリア人はフランクでオープンな人が多い。何か困ったことがあったら、お互いにすぐに助け合うことができる。それは、私の出身地・北海道の人に似ているとも思う。しかし、オージー男性はデリカシーがなさ過ぎるきらいもある。私の同僚は、誕生日に旦那様から1年目に「斧」、2年目に「フーバー」(芝を刈った後にごみを吹き飛ばす携帯小型扇風機みたいな物)をもらって、泣いていた。

私がそんな物をもらった日には、斧で夫の大事な物を壊して、フーバーで吹き飛ばしてやろうと思う(冗談ですよ!)。


ポップ登美子
北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもと共にノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムの他にも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る