旦那はオージー「就職活動編 ~妻編3~」

第7回
就職活動 〜妻編3〜 アジア人女性は立派過ぎる!

【前回までのあらすじ】オーストラリアへ家族で移住後、夫はビジネス・コースで勉強を始めた。IELTSに合格するまでは、希望の日本語教師の職には就けない私が160倍の面接をくぐり抜け、ゲットしたマッシュルーム農場のピッカーの仕事。そこではたくさんの出会いがあった。

 

故郷への仕送りを続ける女性たち


イラスト=たこり
Web: kotoneko1300.hatenablog.com
漫画オーストラリア横断日記

この農場で働く女性は20〜60代までさまざまだ。半分はアジア人(多くはフィリピン、パプアニューギニア出身。日本人は私だけ)、残り半分はオージー(白人)だ。基本的に仕事中は作業に集中しているのだが、時には歌を歌う陽気な人がいたり、「日本語でI love youって何ていうの?」と聞かれたこともある。その時は、その場にいた6〜7人がみんなで「アイ・シテ・マス」と大声で練習。即席日本語教室になった。職場の仲間は明るくてたくましい人ばかり。ベテランも新人も給料は等しく、時給制でボーナスは全くない。収穫が少ない時は1日休みになったり、半日で上がりになったりと収入に安定性はない。アジア人は皆2〜4つも仕事を掛け持ちしながら、故郷に仕送りをしている。パプアニューギニア出身のRさんなどは、「私は毎日チキンを食べられるだけでありがたい。自分自身は何もいらないの。故郷の人たちは食べる物もないんだから」と、仕送りを20年も続けていると言った。

 

携帯電話や靴までも故郷の親せきに

最近、病気の母を見舞いにフィリピンに帰国したGさんは、持っていた物すべてを家族や親せきにあげてきたそうだ。「みんな私の物を持って行くのよ。『ちょうだい!ちょうだい!』って。地元に帰ると全部、食事は自分持ち。親戚の分まで出さないとダメなの。だからしょっちゅうは帰れないわ」と、明るく言うのだ。それを聞き、「自分は甘えていた」と初めて自覚できた。たくさんの出会いがあるから、この職場が好きだった。公務員だった時には感じなかったパート職員の大変さ、社会の偏見などを体感し、お陰で人間として少しは成長したかもしれない。


<著者プロフィール>
ポップ登美子
◎北海道札幌市出身。教員経験を経て、現在オーストラリア人の夫と2人の子どもとノース・クイーンズランドに住む。本紙コラムのほかにも「地球の歩き方」海外特派員などでフリーライターとして活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777www.facebook.com/miffy777

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