【新連載】コミュニケーション学とは?


グローバル・ビジネス・コミュニケーション入門
異文化ギャップは埋められる!

第1回 コミュニケーション学とは?

海外でビジネスをする皆さんに最も興味深いと思われるのが、異文化間のコミュニケーションでしょう。文化は「特定の地域で長い期間を経て作られた思考・行動パターンのルール」と説明出来ます。このルールが生活の全ての場面で適応され、意外な所で顔を出すので厄介です。そして、慣れない間はストレスの原因にもなります。その1つが「カルチャー・ショック」です。異文化間のギャップはビジネスでも大きく影響を与えるものですから、この理解は成功のためには欠かせません。

第1回目の今回は、コミュニケーション学という学問について説明します。日本ではあまり知られていない学問ですが、ヨーロッパでは2,500年以上前から盛んに研究されてきた学問で、古代ギリシャ時代の哲学者たちによって体系化されました。その基礎となったのはレトリックという分野で、現在の日本社会でもかなり浸透してきた「プレゼンテーション」がそれに当たります。

当時は人前で話をする上で、効果的に情報を相手に伝える方法として研究が始まったのですが、それだけでなく「聞いている人たちの考え方に刺激を与え、行動を変えてもらう」手段を考え始めました。言い換えるなら「説得」という行動です。ビジネスには欠かせないスキルですので、論理と表現に工夫を凝らします。

オーストラリアでも、スピーチやプレゼンテーションのやり方で日本とは随分差があることに気づかれたと思いますが、実はその背景には西洋では子どものころからこの学問をしっかり教育する伝統があるからなのです。

欧米のプレゼンテーションはステージ上を動き回り、全ての観客に訴えかける話し方をするため、スクリーン上に書かれたセリフを読む日本のそれとは大きく違います。しっかりと原稿を覚えているために成せる技ですが、原稿を完璧に覚えるのもやはりプレゼンテーションがコミュニケーションの1つだと考えられていて、説得を目的としているからなのです。

説得行動は、大勢を前にしたプレゼンテーションだけに限りません。他にも衝突回避、対人魅力などの人間のコミュニケーションの本質的な行動がたくさん研究された結果、対人コミュニケーションという研究領域が生まれました。コミュニケーション能力を従業員に求める企業は多いですが、この能力をちゃんと説明出来る人は少ないようです。全5回にわたる本コラムでは、実践的なコミュニケーション力について説明します。

次回は、海外で求められるコミュニケーション能力についてお話します。



野中アンディ
◎福岡大学を卒業後、日本通運に入社。その後渡米しカンザス大学にて修士号、また帰国後に西南学院大学で博士号を取得。コミュニケーション学を専門とし、関東学院大学講師、中村学園大学准教授を歴任し、2017年4月株式会社コムスキル代表取締役に就任。プレゼンテーション、コミュニケーション能力などの社員研修、一般向けセミナーを行っている。

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