これでカルチャー・ショックは怖くない!


グローバル・ビジネス・コミュニケーション入門
異文化ギャップは埋められる!

第3回 これでカルチャー・ショックは怖くない!

オーストラリアで生活をしているとさまざまな文化的な障壁にぶつかることがあるかもしれませんね。頻繁に出くわす同じ問題もあれば、新たな問題もあるでしょう。問題が続くと「またか…」と思い、うんざりします。俗に言うカルチャー・ショックです。

違う国に行くと最初は楽しいことばかりです。全てが新鮮で刺激的です。初期の楽しい時間ですのでこれをハネムーン・ステージと言います。ただ、悲しいことに、これが新婚生活と同じで長続きしません。

最初は良かった“違い”がいつしかストレスと感じ始めます。加えて、言葉の違いから自分の考えをうまく伝えることもできず、そのストレスは増大します。このカルチャー・ショックがひどい場合には帰国したいと思ったり、やり場のない怒りに任せて、つい感情をあらわにしたりします。

しかし原因さえ分かればカルチャー・ショックの時間を短縮することができます。日本文化との違いが最初から分かっていれば良いのです。

例えば、英語を話す人たちはコミュニケーションの際に言語メッセージを重視します。自分がやりたいこと、言いたいことを明確にするのです。対して、日本文化は言葉よりも人間関係に重きを置きます。だから言いたいことがあっても「ここでこんなこと言うと角が立つかな」と考えてしまうのです。結果的に英語圏の人たちの態度がズケズケと何でも言ってくるように思えて、「そんな風に言わなくても」と冷たく感じるのです。

言葉を重視するから論理的に話します。なぜ論理的なのかというと、英語圏では誤解が生じたときには話し手の責任という考えがあるからです。つまり相手が分かりやすいように話すことが期待されます。

会話の途中で“Does that make sense?”と聞いたことはありませんか? 自分の考えをきちんと言語化できているかを確認しているのです。しかし、日本語は不完全な言い方でも相手が文脈から理解することを前提としているため、そんなことはあまり聞かないのです。「言ってる意味分かる?」なんて言おうものなら相手の理解能力を疑っていることになります。だから日本では「聞く力」が求められてしまうのです。

文化というものは最初からそれぞれ違うため、自分のやり方を押し付けるのはそもそも無理があります。でも理解する態度を持とうとするとカルチャー・ショックは乗り越えられます。ジョークなどを言って相手との距離を縮めるのも良いかもしれません。そう、これもまた夫婦関係みたいなものなのです。



野中アンディ
◎福岡大学を卒業後、日本通運に入社。その後渡米しカンザス大学にて修士号、また帰国後に西南学院大学で博士号を取得。専門はコミュニケーション学。関東学院大学講師、中村学園大学准教授を経て2017年4月、株式会社コムスキル代表取締役に就任。プレゼンテーション、コミュニケーション能力、異文化ビジネス交渉等の企業研修を行う。

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