オーストラリアでのコミュニケーションを無駄にしないために

グローバル・ビジネス・コミュニケーション入門
異文化ギャップは埋められる!

第5回 オーストラリアでのコミュニケーションを無駄にしないために

コミュニケーションは誰にでもできるものと考える日本と学ぶものと考える欧米では社会に出てからの期待度が全く違います。欧米では「社会人ならコミュニケーションができて当然」と考えられます。だからオーストラリア人と話すと当たりが強いと感じる人がいるかもしれません。あまり英語が話せない段階ではまだ感じることが少ないかもしれませんが、滞在期間が長くなり、英語で話す機会が増えると彼らに冷たいという印象を持つようになるでしょう。

実際、流暢な英語を話せるようになるには、3年あれば十分です。その代わり、日本人と過ごす時間を可能な限り少なくする必要があります。その間、オーストラリア人と同じような生活を送り、彼らと激しい意見交換をすることも必要です。

コミュニケーションとは日本では言葉のキャッチ・ボールと言われますが、それはコミュニケーションの定義ではありません。例えば、今あなたは柔らかいボールを5メートル離れた人に投げようとしています。その人に投げるイメージをしてみてください。目はどんな動きをしますか? 取ろうとしている人はどこで構えていますか?的確に取れそうですか? このイメージをした後に本当にボールを投げると多くの発見があるでしょう。ボールの速さや高さは最初のイメージとは違います。また、思ったように投げられないこともあるはずです。

つまり、投げたつもり送ったつもりでも、実際は自分の考えを容易に相手に伝えられないことがたくさんあるということです。これは、私が研修で実際に行うエクササイズですが、この「やったつもり」というイメージがコミュニケーションでは厄介に働きます。母国語でもきちんと伝わっていないのであれば外国語で伝わるはずがありません。日本人と一緒に行動するのであればいつまで経っても最低限の会話(例えばレストランで注文したり会計したりなど)しか身に付かないでしょう。

激しく議論してオーストラリア人と意見をぶつけ合うことで見えてくる世界があります。その先にはオーストラリア人が実はそんなに冷たくないということも、なぜそういう感じがしていたかも分かるはずです。オーストラリアに滞在するのが人生においてほんの数年であるなら、70数年しか生きることができない人間が大きく成長するチャンスと捉えて、どっぷり浸かることで新しい発見があなたを待っています。

「コムスキル」は英語、日本語のプレゼン研修だけではなく異文化ビジネス・トレーニングも行っています。論理的に話を展開しオーストラリアで通用するプレゼンと交渉術をぜひお試しください。


野中アンディ
福岡大学を卒業後、日本通運に入社。その後渡米しカンザス大学にて修士号、また帰国後に西南学院大学で博士号を取得。専門はコミュニケーション学。関東学院大学講師、中村学園大学准教授を経て2017年4月、株式会社コムスキル代表取締役に就任。プレゼンテーション、コミュニケーション能力、異文化ビジネス交渉等の企業研修を行う。

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