【シドニー虹色通信】サムライフェスティバル in Sydney 2016

東日本大震災・被災地を想う シドニー虹色通信

プロフィル◎JCSシドニー・レインボー・ステイ・プロジェクト
2011年3月11日東日本大震災発生の年、被災児童を支援する目的でシドニーで発足した保養プロジェクト。毎年夏休み期間中に、10人の小中高校生を東北からシドニーにホーム・ステイ招待している。また毎年3月11日前後には、震災復興支援とファンド・レージングの目的で「3.11震災復興支援イベント」を開催している。シドニー日本クラブ(JCS)傘下団体。
www.jcsrainbow.com

文:Yukiko Salisbury(プロジェクト代表)

第14回 サムライフェスティバル in Sydney 2016

2011年の東日本大震災発生によって津波と原発被害に見舞われた福島県の高校生たちが、自らの力で復興の足がかりを築こうと、地元南相馬市で立ち上げたプロジェクトがある。

南相馬市には、国の重要無形民族文化財で1,000年以上の歴史がある「相馬野馬追い」という侍の伝統祭りがある。戦国時代からの伝統侍文化が、今もこの地域に広く受け継がれているからだ。学生たちの目的は、その伝統侍文化を国内外で披露することにより観光PRの一端を担い、南相馬の活性化を目指すのが狙いだ。

しかし「相馬野馬追い」は歴代の神事お祭り行事であるため、一般には敷居が高い。高校生たちは一般にも身近なスタイルを組み入れた「サムライフェス」というイベントを、15年5月にスタートさせた。

このお祭りでは、一般参加者もレンタル甲冑を着て合戦に参加したり、ワークショップで自分の甲冑を製作することも可能だ。テントが並ぶサムライ村では、本物の甲冑着用の写真撮影、サムライ寸劇、コスプレーヤーの交流、などのアトラクションもある。「相馬野馬追い」とはひと味違う、若い世代のサムライフェスティバルだ。

そのプロジェクト立ち上げの高校生8人が、初海外遠征として8月、シドニーに参上した。10日間の滞在中、国際交流基金会場で甲冑ワークショップを開催したり、現地ハイスクールで「サムライフェス」のプレゼンや寸劇を披露したりした。また、「サムライフェス in Sydney」と称し、観光地としても有名なマンリー遊歩道や、市内中心部に位置するマーティン・プレイスのステージで、各種サムライパフォーマンスやイベントを繰り広げた。

福島県南相馬市からサムライ学生グループが来豪した
福島県南相馬市からサムライ学生グループが来豪した

イベントには大勢の観衆が参加して盛り上がり、多くのメディアも取材に駆けつけた。マーティン・プレイスのステージを手配したNSW消防隊は、学生たちをレスキュー消防艇に招待し、世界3大美港の1つであるシドニー湾のクルーズという特別なもてなしもしてくれた。彼らは東日本大震災時、東北へ捜索救助活動に出向いた災害レスキュー隊員らだ。当時、日本でも有名になったロバート・マックニール総司令官の姿もあった。

今回、福島県南相馬市の学生たちは「地元侍伝統文化を世界にアピールし、復興の足がかりを築きたい」という、強い意志を持ってシドニーを訪れたが、その任務を立派に果たし帰国した。

福島県の復興への道のりはまだまだ長い。だが学生たちにはこの貴重な経験を生かし、今後も力強く頑張ってほしい。

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