
オーストラリア国内の平和への動きについて、お伝えするコラム JfPピースフル通信
第15回 ANZAC DAY:私の視点
香寿代・プレストン(JfPメンバー)
4月25日は、アンザック・デー。1914年に第1次世界大戦が勃発し、翌15年4月25日にANZAC軍(オーストラリアとニュージーランド連合軍)がトルコのガリポリ半島に上陸。当時トルコの支配下にあったダーダネル海峡(Dardanelles)の支配権を英軍が握ろうと画策、戦いの口火となった。この上陸作戦で、勇敢に戦ったものの、8カ月にも及ぶ長期戦でオーストラリア兵だけでも8,000人という多大なる死者が出た。英国から独立してまだ13年というオーストラリア国内では、この惨事が国民にとって大きな影響を及ぼした。つまり、これを機に国として1つにまとまり、オーストラリア人としての意識が高まったと言われている。このガリポリ作戦は失敗で大きな犠牲者を出したものの、オーストラリアとニュージーランドの国民に強い遺志(呼称、ANZAC Legacy)を遺した。
今年で95周年を迎えるこの上陸記念日は、祝日である。またトルコのガリポリの入江では、何千人もの若い世代が慰霊・鎮魂のために訪れ、その数は毎年増えている。
日本は、第2次大戦時、オーストラリアの敵国で、しかもオーストラリア本土を攻撃をした唯一の国であったことから、この日ばかりはテレビや新聞で戦争特集が組まれ、日本人にとって肩身の狭い思いをする日ともいえる。
毎年、このパレードをテレビで目にする度に、犠牲になった人々を追悼すること、そしてその史実を次の世代に継承して行くことはとても大事だと思う。
しかし、同時に戦争という名目で若い命を残酷にも断たれてしまったこと、そして遺族の深い悲しみ、それを想像してみて、兵士たちを英雄者として称えるのみではなく、戦争とはいかに無惨で無意味なものであるか、このような悲劇を2度と繰り返すべきではないと再認識できる日であってほしいと願う。
さらに世界の平和構築への希望に繋がる日でありたい。また、日本人として、日本がオーストラリアをはじめ近隣諸国に対する侵略戦争・植民地支配の歴史について真摯に受け止め、学ぶことが、この国に住む上での我々の責務でもあると思う。
私には9歳の息子がいる。彼が徴兵制度で、戦争に行かなければならないという時代が決して来ることがないよう切望する。

Japanese for Peaceプロフィル
2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。05・06年に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
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