第24回 平和とお金――責任投資の実践

JFPピースフル通信

オーストラリア国内の平和への動きについて、
お伝えするコラム JfPピースフル通信

第24回 平和とお金――責任投資の実践

松岡智広(JfPメンバー)
投資の世界はお金の世界、あまり関係 ないようでいて平和に関わってくる部分 もあります。皆さんは、“ 社会的責任投 資 ” あるいは “ 責任投資 ” という言葉を聞 いたことがありますか ? おおまかに言え ば、環境や社会といった、財務以外の要 素を考慮に入れた投資手法を指します。
昨年8月、クラスター弾の製造、保有、 使用を禁止する国際条約が発効されまし た。かつては国内で製造もしていた日本 もこの条約を批准しましたが、最大の製 造・保有国である米国、中国、ロシアは対 人地雷の条約同様、批准していません。
クラスター爆弾を巡っては、製造・販売 企業への融資を禁じる世界で初めての法 律が、今から4年ほど前にベルギーで成立 しました。同じころベルギーのNGOが、 クラスター爆弾製造企業に投融資を行 なっている、日本も含む世界の金融機関 のリストを公表しました。
大きな資産を運用する欧米の金融機関 の中には、クラスター爆弾や対人地雷を 製造する企業を投資対象から外している ところがあります。オランダでは、クラ スター爆弾を製造している企業に年金基 金が投資をしている実態を報じるドキュ メンタリーがテレビで放映されたのを きっかけに、市民の関心が高まり、責任 投資の実践が進んでいきました。最近で は、製造企業に投融資を行っている金融 機関も投資の対象から外す動きも広がっ ています。責任投資という手法を使えば、投資を通じた平和への取り組みが可 能なのです。
豪州で正規に就労している人は皆、給 与に9%上乗せされて積み立てられる年金 口座を通じて投資をしています。加入者 は、リスクの高低、株式、債券、預金な ど、自分の年金口座の運用の配分を決め ることができます。年金基金の中には、 投資の選択肢に責任投資の金融商品を用 意しているところがあります。また、特 定の事業を排除するのではなく、高い環 境技術を持つ企業など、社会・環境面で総 合的に優れた企業に積極的に投資するも のもあります。
皆さんが加入している年金基金は、ど のような責任投資商品を用意しているで しょうか。もし責任投資の選択肢がない 場合は、銀行口座を別の銀行に移すのと 同じように、責任投資の選択肢がある別 の年金基金に年金口座を移動することも 可能です。


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Japanese for Peaceプロフィル
2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。05・06年に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au

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