第41回 日本の原発再稼働と豪州のウラン採掘の関連

JFPピースフル通信

 

オーストラリア国内の平和への動きについて、
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第41回 日本の原発再稼働と豪州のウラン採掘の関連

松岡智広(JfPメンバー)

 

6月16日、野田首相と関係3 閣僚が関西電力大飯原発3 、4号機の再稼働を決定。22日には首相官邸前に4万人以上の市民が抗議に集まりました。 政府は、福島第1原発を襲ったような地震や津波でも事故を防止できるとしています。しかし、大飯原発では応急措置だけで抜本的な安全対策はまだ実施されていません。福島第1 原発ですら採用されていた免震棟やベント機構といった重要な設備も未整備です。

日本政府や電力会社による原発再稼働の動きは、ウラン輸出国である豪州とも関連しています。豪州は世界最大のウラン埋蔵量を持ち、現在N T 準州とS A州で合わせて4つのウラン鉱山が操業しています。日本にとって豪州はウランの主要調達先であり、福島第1原発でも豪州産ウランが使われていたことを連邦政府が確認しています。

操業中のウラン鉱山以外でも新たなウラン鉱山の探鉱・開発が進んでいます。州政権交代で、20 08 年にウラン採掘禁止政策を解除したWA州では急速に探鉱・開発が行われ、今年はN S W州でも探鉱が解禁されました。 豪州証券取引所( A S X )には、ウラン鉱山開発を行っている数多くの企業が上場しています。例えば、パラディン・エナジーはナミビアとマラウィに加え、豪州でもウラン探鉱を行なっています。

WA 州初のウラン鉱山操業を狙う、ASX上場の新興企業トロ・エナジーは、先住民の反対や、不十分な環境アセスメント、情報公開、放射性鉱滓の管理問題など多くの問題を抱えています。

福島第1原発事故発生以来、ウランの市場価格やウラン関連株の価格が低迷し、ウラン鉱山開発企業の中には業績悪化や資金調達難に直面しているところもあります。 先に挙げたトロ・エナジーやパラディン・エナジーといったウラン鉱山開発企業は、昨年以来、投資家への説明で2 012 年の年明けには日本が原発を順次再稼働し(後に第1四半期末、第2四半期末と順次修正)ウランの需要が高まり、価格も回復するだろう、と繰り返してきました。

野田首相が具体的な根拠のないまま安全性を強調し、再稼働を急ぐ背景には、電力会社や原発関連企業、それを支える金融業界の利益が深く関わっているであろうことは容易に推察できます。しかし、原発再稼働問題は日本国内だけでなく、豪州のウラン採掘業界の動向にも大きく影響するでしょう。


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Japanese for Peaceプロフィル

2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。毎年8月に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au

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