第44回 浜岡原発の夏休み

JFPピースフル通信

 

オーストラリア国内の平和への動きについて、
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第44回 浜岡原発の夏休み
A.K(JfPメンバー)

 

今年も日本はとても暑い夏を迎え、2011年に引き続き節電への意識的な協力が求められる中、久しぶりに静岡の実家に帰った。

私の実家は浜岡原発からおよそ25キロ圏内にあり、起こる前から既に名前が付いている東海沖地震(現南海トラフ地震)の圏内にも入る海の近くの町である。11年の福島原発事故を受けて建設が始まった浜岡原発用の18メートルの堤防も意味があるのか、と思わせるような、南海トラフ地震による浜岡の予測津波高は約19メートル。一番高かった下田町ではなんと33メートルが予測されている。実家のある吉田町でも9メートルの予測だ。

被害予想は静岡県沖から九州までの広範囲に及ぶため、死者の想定が最大で32万人を超えると報じられたのが今年8月の末だった。

今年の夏、南海トラフ地震の予測が報じられる前の5月から7月にかけて、60歳を過ぎた母が集めていた署名がある。浜岡原発県民投票を新しい法令として認めてもらうために、県に提出する署名だ。静岡県民のみができる署名のため、住所はもちろんのこと、印鑑までもが必要になる結構大変な署名活動である。

6月の雨の中、7月の暑い中、スーパーの前で行ったり、親戚を回ったりと、決して若くはない母ができる限りの範囲で集めていたと聞いている。こうして、母のような一般県民によって集められた署名は、必要であった6万2,000人(有権者の50分の1)分を大幅に上回る16万5,127人分が有効とされた。

浜岡原発の県民投票が実際に新しい法令に繋がることを期待したいが、結果は別として、静岡県民がこれだけ大掛かりな署名活動に動いたのには、県民が本当に届けたい意思を抱いていたからだと強く思う。

チェルノブイリの子どもたちに送るための基金集めや、原発事故があった場合の想定勉強会にも、今まで耳を傾けた人たちは静岡では少なかったのではないだろうか。悲しいことながら、この福島の原発事故を経て初めて静岡県民の意思が動いたように思う。

日本人は何百年も前の昔から、地震や津波といった災害から立ち直ってきている。しかし空気や土、海を汚して何千年も立ち直らせてくれないのは原発事故である。静岡県知事にも県民のその意思を深く尊重して動いてもらいたいと願うばかりである。

 


 

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Japanese for Peaceプロフィル

2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。毎年8月に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au

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