元気の秘訣

シンガポールのマーライオン
シンガポールのマーライオン

第46回
元気の秘訣

文=加納寛之
 先日、IPBAという世界各国からの弁護士の集会に参加するため、シンガポールに行ってきました。そこに、シンガポールの前首相である、リー・クアン・ユー氏が招かれ、参加者との間で、特別にQ&Aセッションが開かれました。
 リー・クアン・ユー氏は現在、87歳。元弁護士、ケンブリッジ大学法学部を首席で卒業、約30年にわたってシンガポールの総理大臣を務めた人です。TV報道で見たことはありましたが、実際に会うのはもちろん初めてでした。
 首相の座を退いてから20年も経ち、87歳という高齢でこうした場所に出てくるというバイタリティーにまず驚きましたが、さらに驚いたのは、さまざまな国から来た弁護士たちのあらゆる質問に対して、即座に、端的かつ的確に答える姿でした。
 現役の首相とは違い、一線を退いているからこそとも思いますが、政治家にありがちな質問をうまくかわして結局答えない、というようなことが全くなく、低く太い声でよどみなく明快に答えを繰り出す様子は非常に新鮮で、興味深いものでした。
 87歳と言えば、ほとんど私の年齢の2倍にあたりますが、容姿も大変恰幅がよく、180センチを超える長身をまっすぐに伸ばし、闊歩する姿には、何とも形容しがたいオーラを感じました。
 氏の施政については、国内外でもさまざまな評価があります。それについてはともかく、私がこの年齢に達した時、これほどのバイタリティーを持って公の場で多くの人に接することを辞さない人間でいられるであろうか ? 少なくても仕事の一線からは退き、ゆったりとした生活を夢見ていた自分がいます。しかし、使命感を持って仕事をしているからこそ元気も沸いてくるのかもしれません。
 最近少々体調を崩しがちな私。言ってみれば、人生はこれからもマラソンのようなものです。好きな仕事もできる限り続けるためには、健康第一でいなくてはなりません。いつか87歳になっても、初めて会う人に、今回私が受けた刺激や感銘の一片でも与えられるような人になれたら素晴らしいな、と思った今回の旅でした。


プロフィル
かのうひろゆき●ブリスベン歴7年半。日・米・豪3カ国の弁護士。弁護士歴12年NY留学中の2001年に9・11テロを体験後、ブリスベンの青空に心を癒され永住を決意。モットーは仕事も遊びも全力投球!週末は妻、娘(5歳)と一緒に愛犬モモの散歩でリフレッシュ。犬連れのアジア人家族を見かけたらそれが僕たちかも ?

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