カナバン大臣

政界こぼれ話人物編 その189

カナバン大臣


連邦国民党のマシュー・カナバン資源・北部豪州大臣は、1980年12月17日にQLD州のサウスポートで誕生している(35歳)。父親のブライアンは大のクリケット好きで、そのため幼少時代のカナバンは、自宅の裏庭でクリケット三昧の毎日であったという。大学はQLD大学で、同大学より人文学士号と経済学士号を取得。経済学では優等であった。

大学卒業直後には連邦財務省の傘下で、経済シンク・タンク的機関として有名な生産性委員会(PC)に勤務している。またその後短期間ではあるが、大手会計事務所のKPMGにも勤務した経験がある。再度PCに戻り課長ポストを務めた後、当時国民党の副党首であったジョイス(注:現国民党党首兼副首相)のチーフ・オブ・スタッフを務めている。

実は以前からカナバンは政治の世界に関心を抱き、PCの課長時代にアボット首相のオフィスに電話し、顧問として自分を売り込んでいる。ところが、たまたま首相オフィスにはエコノミストは足りており、代わりに紹介されたのがジョイスのオフィスであった。PC勤務という経歴からもうかがえるように、カナバンは「安価な政府」や市場競争原理を重視する強硬な経済合理主義者である。しかも実家が農家であったわけでも、農業関連ビジネスに携わっていたわけでもない。

要するにカナバンは、国民党政治家のキャリア・パスやタイプとはかけ離れた、むしろ自由党の政治家となるのがふさわしい人物である。ところがジョイスに仕えたことから、国民党と深いつながりができ、2013年9月の上院半数解散選挙には国民党のQLD候補として出馬し、初当選を果たした次第である。

その後のカナバンの出世ぶりは目を見張るもので、今年の2月に実施されたターンブル保守政権の改造では、政治家歴1年半ほどで入閣を果たし(注:正式に上院議員に就任したのは14年の7月である)、そして今次選挙後の組閣では、早々と閣内大臣に就任している。確かに国民党の場合には、自由党議員であればおそらく閣僚にはなれないような議員が、連立協定のお陰で閣僚に任命されることも間々ある。また閣内入りは今次選挙での国民党の躍進のお陰で、更にカナバンが党首のジョイスと親密との事情もある。

しかしながら、カナバンのスピード昇格は国民党議員としても極めて異例のもので、やはり相当な逸材と見て間違いあるまい。それどころか、おそらく近い将来には、国民党の次期党首有力候補の一角を占めるかもしれない(注:ただし党首ポストを狙うのであれば、下院に鞍替えする必要がある)。

なお経済通、ビジネス通のカナバンは、資源開発に極めて前向きで、また化石燃料の重要性も認識しており、「自分が推し進めたいエネルギーとは廉価なエネルギーである」などと述べている。家族は妻のアンドレアと4人の息子である。

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