ティム・ストアー上院議員

政界こぼれ話人物編 その210

ティム・ストアー上院議員

連邦上院議員に就任したばかりのティム・ストアーSA州選出無所属議員は、1969年10月24日にSA州のロクストンで誕生している(48歳)。父親は地元の開業医、母親は国語の教師で、ストアーには4人の兄弟・姉妹がいる。

カトリック系の名門高校を経て、アデレード大学に進学。同大学より経済学士号を、その後、豪州国立大学より経営学修士号を取得している。23歳の時に海外へと雄飛。香港を皮切りに、長期間にわたってアジア各国に居住し、経営コンサルタントとして活躍した。ストアーは流暢に中国語を話し、またベトナム語にも堪能である。

若いころより政治の世界にも関心を抱き、都合8年間ほど労働党の党員であった。ただ同党を離党して、SA州では相当な影響力を誇っていた「ニック・ゼノフォン・チーム」(NXT)の党員となっている。2016年7月の両院解散選挙では、同党から連邦上院選挙に出馬したが、同党の「上院チケット順位」の上位3人は当選したものの、第4位であったストアーは惜敗している。ところがその後、NXTの1議員が二重国籍問題で議員を辞職。その時点でストアーはNXTを離党していたが、結局、繰り上げ当選し、今年の2月より連邦上院議員に就任し、現在に至る。

議員歴がわずか4カ月ほどのストアーだが、政界入り直後から大いに注目されることとなった。その理由はストアーが、ターンブル保守政府の法人減税施行法案成立の鍵を握ったからであった。結局、ストアーは、財政的に責任のある政策かどうかに確証が持てないと述べつつ、同法案への支持を拒否している。ただ現在も同様な政治状況が続いており、従ってストアーの言動も引き続き注目されているのだ。

思想、信条だが、相当な経済通であり、また市場原理を信奉する経済合理主義者でもある。ただ敬虔なカトリック教徒ということもあって、ストアーは先住民、社会的弱者である福祉依存者や失業者の問題に重大な関心を寄せている。ちなみにストアーの重視する政治目標の1つは、失業手当の増額である。アジア諸国との関係強化を唱え、また共和政体への移行論者でもある。全体的には中道政治家と言えよう。

人柄だが、公平さを重視し、上述したように、社会的弱者に温かな目を注ぐ、慈愛に満ちた人物である。ストアーは、「社会の質は最も脆弱な人びとへの対処ぶりによって計られる」と述べている。また、法人減税をめぐる政府との交渉ぶりからもうかがえるように、しかも本人も断言しているように、酸いも甘いも噛み分けて政治的に動く、政治的得点を重視するといったタイプではない。むしろ自身の信条に基づき、正しいと信ずることを粛々と実行するといった、良い意味での頑迷さを備えた人物である。

家族は細君のベリンダと2人の息子だが、ストアーの兄弟は、ABC公共放送の名物ジャーナリストであるクラブと結婚している。学生時代には中距離、長距離の選手として鳴らした。

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