デービッド・リトルプラウド農業・水資源大臣

政界こぼれ話人物編 その211

デービッド・リトルプラウド農業・水資源大臣

国民党のデービット・リトルプラウド農業・水資源大臣は、1976年9月4日にQLD州のチンチラで誕生している(41歳)。リトルプラウドは「二世議員」で、父親のブライアンはかつて国民党のQLD州議員で、州閣僚も務めた人物である。

大学には進学せず、高校卒業後には地元で農業ビジネス、金融関連ビジネスなどに携わっていた。妻のサーラを共同パートナーとする、零細ビジネスのオーナーでもあった。政界入りしたのは2016年7月に実施された両院解散選挙の時で、QLD州の地方選挙区であるマラノア連邦下院選挙区から出馬して、見事初当選を果たしている。ちなみに同選挙区は、国民党のベテラン政治家で、ハワード保守連合政権下で長らく閣僚を務めたスコットが保持していた、伝統的な国民党の地盤選挙区である。

連邦政治家となったリトルプラウドは、その後議会の委員会活動で頭角を現したが、政界入りしてからわずか1年半後に、政治家としての大きな転機を迎えている。それは、17年の12月に実施された第2次ターンブル保守連合政権の第1次改造で、農業・水資源大臣に抜擢されたことであった。

上述したように、リトルプラウドは前回選挙で当選したばかりの1年生議員で、しかもそれまでは陣笠(じんがさ)議員という、地元以外ではほぼ「無名」の政治家であった。ところが、同改造でリトルプラウドは、閣外閣僚どころか、閣僚の登竜門とされる政務次官も経ずに(注:ターンブル政権は補佐大臣と呼称)、いきなり閣内閣僚に大抜擢されたのである。

1年生陣笠議員が閣内相となるのは、実力主義の豪州でも極めて稀である。確かに、大抜擢人事の背景には、次期連邦選挙においてはQLD州での戦績が重要なことや、同州が極右政党ワンネーション党の本場であること、そして同州の自由国民党が、QLD州選出保守連合議員の閣僚数が少ないとして不満を抱いてきたなどの諸事情があった。

また自由党と連立する国民党には、同党の議員数や議員の実力とはやや不相応に、寛大な閣僚数枠や閣僚の「指定席」が認められているとの事情もある。

更に国民党の閣僚人事を握っていた当時のジョイス国民党党首の、党内政治上の思惑もあった。だが、リトルプラウドは早くも将来の党首候補の一角に名を連ねており、同人事が実力主義に基づくものであったことも間違いない。

思想、信条だが、周知の通り、国民党は全体的には右派の政党である(注:一方、自由党は全体的には中道右派)。リトルプラウドも当然のことながら右派であるが、ただジョイスのようなイデロギー偏重の政治家ではない。例えば国民党には、地球温暖化対策に抵抗するどころか、地球温暖化現象自体への「懐疑派」が存在するが、リトルプラウドは同現象が豪州の干ばつ問題などに直接影響を与えており、対策が不可欠であることを認めている。

明るく気さくな性格で、地元での人気も高い。サーラとの間に3人の男の子がいる。

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