リンダ・レイノルズ国防産業大

政界こぼれ話人物編 その220

リンダ・レイノルズ国防産業大
Linda Reynolds

WA州選出の自由党連邦上院議員で、閣内の国防産業大臣でもあるリンダ・レイノルズは、1965年5月16日にWA州のグースベリー・ヒルで誕生している(53歳)。父親も政治家という2世議員である。ただユニークなことに、WA州下院議員であった父親は労働党に所属していた。大学はカーティン大学の商学部である。後年、戦略論で修士号も取得している。

何と言ってもレイノルズのキャリア・パスを特徴付けるのは、84年以降の実に28年間にもわたる、豪州陸軍予備役兵士としてのキャリアである。レイノルズは予備役の兵士として准将のランク、すなわち将官のランクにまで上り詰めた、初の女性である。またその間に、政治家、しかも「国防族」系の政治家となる上で有益な、幾つかの重要な経験を積んでいる。

まず87年に入党した自由党の支部組織で、幾つもの幹部ポストを経験した後、女性としては初めて、連邦自由党事務局のナンバー2である事務局次長を務めている。ちなみに連邦自由党事務局長は、連邦労働党書記長と同じく、非議員ながら、日本の自民党の幹事長に相当する要職である。レイノルズはナンバー2であったものの、同ポストを経験していることは選挙に通暁していることを意味する。またレイノルズは、自由党の閣外司法大臣のチーフ・オブ・スタッフとして、連邦政界の表舞台、裏舞台でも活躍している。更に短期間であったとはいえ、米国の大手国防企業レイセオンの豪州支社の幹部も経験している。

連邦政界入りは、アボット保守連合政権が誕生した2013年の上院選挙である。レイノルズはWA州自由党「上院チケット順位」(注:各政党が事前に決定する当選優先順位)の第3位であったが、保守連合への強い追い風を受けて見事初当選。ただ選挙管理委員会の不手際から、翌14年4月にWA州だけで上院のやり直し選挙が実施されている。今度こそ危ないと思われたが、結局、やり直し選挙でも当選を果たした。

16年の前回選挙で再選を果たしたレイノルズは、その後も議会委員会活動を熱心に続けていたが、昨年8月のモリソン首相の第1次組閣で、内務大臣補佐大臣(注:かつての政務次官)としてフロント・ベンチ入りを果たしている。そしてチョーボ国防産業相の政界引退宣言、閣僚からの辞任を受けて、3月2日に一足飛びに閣内の国防産業相に任命され、現在に至っている。上述した経歴からも明らかなように、国防産業相としての経験、知識は十分に備えていると言えよう。それどころかモリソンは、次期選挙で保守連合が再選を果たした暁には、レイノルズを国防相に据えることを確約している(注:現国防相のパインも今期いっぱいで引退)。

思想的には右派に分類できるが、レイノルズは社会政策分野、とりわけ男女機会均等問題などでは相当に進歩的である。

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