ラムビー上院議員

 

政界こぼれ話人物編 その169

ラムビー上院議員


ジャッキー・ラムビー上院議員は、1971年2月26日にTAS州で誕生している(43歳)。本人はアボリジニの血が混じっていると主張しているが、同州のアボリジニ団体や指導者は懐疑的である。89年に豪州陸軍に入隊し、10年以上にわたり職業軍人であった。軍歴の前半は輸送部隊に、後半は憲兵部隊に所属している。97年に過酷な軍事訓練が原因で強度の腰痛を患っている。リハビリでも回復せず、結局、伍長で除隊。その後は軍の身障者手当てや一般の身障者手当てなどで暮らしたが、軍の手当てや補償問題を巡って、退役軍人省と長期に亘って対立している。身体的な苦痛に加えて、心労も重なり、ラムビーは鬱病を患うと同時に、アルコール依存気味となり、小柄なラムビーの体重も一時期実に100キロを超えたという(注:現在は60キロほどとのこと)。そしてラムビーは、泥酔した挙句、車道に入って自殺を試みている。実際に車にはねられ、その後は精神科にしばらく入院している。

こういった自らの悲惨な経験から、ラムビーは退役軍人の処遇問題に関心を抱くとともに、自然に政治の世界にも目を向けている。労働党上院議員へのボランティアの後に、自由党に入党したものの、すぐに離党。そして自宅を売り払って資金を作り、2013年の連邦上院選挙に無所属として出馬すべく、選挙活動を開始した。ところが、やはり資金繰りが苦しくなり、結局、新設されたパーマー連合党(PUP)に急遽入党し、PUPのTAS州「上院チケット順位」(注:各政党が事前に決定した当該政党候補の当選優先順位)第1位候補として出馬し、当選を果たしたという経緯がある。

昨年の連邦選挙では、PUPは下院に1議席、上院では一挙に3議席を獲得したが、ラムビーはPUP上院副リーダーとなった。今年の7月に上院議員の任期が始まる前から、党首のパーマーに劣らぬほどメディアに登場し、また物議を醸す発言によって大いに注目を集めている。ただラムビーはつい最近、軍人給与問題を契機にして、パーマーばかりか、PUPの他の上院議員とも鋭く対立。結局、予想通り、11月24日にPUPを離党することを公表している。

上院の情勢に鑑み、無所属となった場合、むしろラムビーの影響力は高まるかもしれない。思想、信条だが、カトリック教徒であることから、強硬な社会的保守で、例えば同性愛者間の婚姻の法的認知などには反対している。ただ余談だが、ラムビーは同性愛者のウォン労働党上院リーダーを高く評価している。ラムビーの関心事は、地元TAS州の権益増進と、軍人や退役軍人の処遇改善問題である。人柄だが、確かにパーマー党首と同じく、歯に衣着せぬ言動、過激で、しばしば荒唐無稽な言動でも有名だが、自身の経験もあって、社会的弱者には暖かな目を注いでいる。尊敬する政治家は英国のサッチャー首相である。シングル・マザーで2人の息子がいる。

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