五感で季節を感じる

陰陽師・橋本京明の開運指南

第24回
五感で季節を感じる

日本では梅雨も明け、毎日のように猛暑日が続いています。冬の寒さ真っ只中のオーストラリアでは、暑さを懐かしんでいる人もいるかもしれませんね。そこで今回は皆さんに日本の夏の暑さを少しお裾分けしようと思います。

夏のオフィス街は空調の熱と灼熱のアスファルトによりヒート・アイランド現象が起きます。昔は地面がアスファルトではなく土だったため、熱が水分として逃げていました。田畑や森林が広がり、家屋は木造で風通しの良いものでしたが、ただ湿気の多い日本では昔から夏の蒸し暑さは厳しいものでした。

では、エアコンがまだない時代の日本人はどのようにして暑さをしのいでいたのでしょうか。まずは「打ち水」です。家の外に水をまき、気化熱を利用して気温を下げます。そして家の中には日よけにもなり風も通る簾(すだれ)を吊るしていました。入浴後や普段用に着ていた浴衣は通気性や吸収性に優れています。夏バテで食欲のない時には冷たい素麺をつるつるといただいていました。おやつには普通のようかんより塩分、水分が多い水ようかんを。そして家の軒には風鈴を吊るし、うちわで扇ぎながら夕涼みをしました。このように昔の人々はさまざまな工夫を凝らして暑さをしのいでいました。そこには日本人ならではの知恵があったのです。

打ち水や簾は見た目にも涼しく感じます。浴衣は汗でベタ付くことがなく肌触りの良いものです。素麺や水ようかんは舌触りが良く喉越しも爽やか。そして風鈴の音色は自然の風が奏でる鈴の音。今の時代のように扇風機やエアコンで温度を下げて涼しくなるのではなく昔の日本人は感性や感覚で涼しいと感じる工夫をしていたのですね。それは言い換えれば「五感で感じる涼しさ」です。

日本の夏は暑いものですが、昔ながらの過ごし方も取り入れてみると、エアコンだけでは感じられない「涼」を感じられるのではと思います。また常に五感を働かせることで、夏だけではなくそれぞれの季節を体と心で感じることができるようになり、どこにいても自然を楽しみながら自然と寄り添って暮らすことができるのではないでしょうか。オーストラリアの冬もぜひ、五感で楽しみながら過ごしてください。


☆プロフィル
著者・橋本京明◎神官の家系に生まれ、幼いころから念視・予知、霊感・霊体験をし、小学2年生で四柱推命、紫微斗数、奇門遁甲などの占いを学び始める。その後、数々の寺院で修行。高校卒業後は会社に勤めながら占いの個人鑑定を開始し、2008年に独立。「ラスト陰陽師」としてメディアにも多数出演。現在は東京都にオフィスを構え、個人鑑定を行っている。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る