発行人のパリ便り第3回


パリ随一だという、サンジェル マン・デ・プレにあるお菓子屋さん 「PIERRE HERME」のマカロン

発行人の パリ便り

 
第3回
 
 今回は硬派ジャーナリストとしてのレ ポート(笑)。今、フランスで最大の関 心事はもちろん、4、5、6月と展開される 大統領選挙とユーロ危機。それにグロー バルな大問題となっている、反原発を合 わせてこちらの状況を。
 それらに関して、日本語で話を聞ける パリ在住者となると、小沢君江さんは最 適任者の1人だと思う。パリで最も歴史の ある日本語新聞「オヴニー」を発行され ているジャーナリスト。実は2008年のパ リ滞在中、海外日本語新聞の先駆者とい うことでインタビュー取材をさせていた だいている。久しぶりにオフィスでの再 会となったのだが、とても溌剌として若 返っているのに驚く。そのことを告げる と、「よくそう言われますね」と笑顔。
  後で分かったのだが、仕事の充実がそ の理由のようだ。小沢さんの夢である 「日本カルチャー・センター」も定着し、 フランスものの翻訳の本も日本で既に3冊 発行され、もうすぐ4冊目に着手の予定。 70歳に手が届くという小沢さんは、営業 もハンドルするバリバリの現役。見習わ なければと敬服する。

 


 
  現在のサルコジ大統領が再選されるかどうか。最近の世論調査では、オランド 社会党候補がトップで、次がサルコジ大 統領、そして極右のル・ペン国民戦線党党 首(女性)と続いている。オランドとサ ルコジの差は約5〜6%。
 フランスは現在、失業率、物価、税金な どすべてが上昇し明るい話題はない。選挙 は、現状が良くない限り、いつも追う方 (野党)が正論をかませられるので有利だ が、オランドは、「普通の大統領」になる というイメージ作り。それに庶民の現在の 心情を反映しようとする狙いか、「金融界 は敵だ」と公言している。
  一方、サルコジは奥さんがモデル上が りの美人で、前の選挙で勝った時には 「フーケ」(シャンゼリゼにある一番有 名なレストラン)に有名人を集めてシャ ンペンで乾杯と、チャラチャラとしたイ メージがマイナスだという。小沢さんの 予測ではサルコジは再選されないと思う とのこと。


小沢さん。「カルチャー・センター」のライブラリーの前で

 現在のユーロ危機で、国内でも元のフ ランに戻そうと提唱する政治家もいるそ うだが、最近、ある経済学者がフランに 戻した時をシミュレーションしてみる と、とんでもないインフレになるという 結果を発表した。ユーロはヨーロッパ統一という観点からはプラスのアクションだし、ツーリストにとっては好都合。た だ素人考えでも、例えばパリの1ユーロと リスボンでの1ユーロでは価値が違う。 よって流通貨幣を同一にするというのは かなり大問題なのではと考えてしまう。 実際、パリから他国へ行って、タバコを 買い占めたり車を買ってくることも多い らしい。
 フランスは電力の約80%を原子力発電 に頼っていることはよく知られている。 これは大昔の石油危機以来の現象。原発 の周囲で小さな事故も起きていて、反原 発の動きはあるものの、日本のように 「脱原発を」とまでは至っていない。
 オランドは公約として、当選後、2025 年までに原発58基を24基に減らし、電力 供給の原子力比率を現在の74%から50% に下げることを掲げている。サルコジは 原発をフランスが誇る主要産業とみなし ており、「ロウソクで暮らす中世時代に は戻れない」と原発擁護派の旗手を自認 している。核エネルギーか脱原発かのフ ランスの選択は次期大統領の決断によ る、とは小沢さんの弁。

 


 
 ガラリと変わり、食べ物ネタを。これ 本当はやりたくないですが…。というの も、エッセイやブログでレ ストランの料理がなんとか かんとかと言う人。これは 書くアホに読むアホと思ってるんです。
 実は昔、私も読むアホ だったんです。ある作家 がエッセイで、「日本一の ◎◎料理のレストラン◎◎ (名古屋)」と書いてる のを見て、勇んで行きました。これが大失 望。それ以来、こ の作家の本は一切 読んでいません。 坊主憎けりゃ袈裟 まで憎い、という やつです。
 だいたい人間の 舌なんて千差万 別。ある人が美味 しいと思っても違う人がイマイチと思う のは当たり前。ましてや、料理の道を極 めてきたプロならともかく、そこいらの オッサンやオネーサンが、延々とどうと かこうとか…。今、美味しいレストラン の書き込みが問題になっていますよね、 ヤラセがたくさんあるということで。さ もありなんと思います。
 前置きが長くなりましたが、「食の都 パリ」から食べ物ネタをという編集部の 執拗な催促に答えます。マカロンです。 住んでいるサンジェルマン・デ・プレのア パートの近くにいつも行列ができるケー キ・ショップがあり、何だろうと思ってま したが、行列してまでケーキを買いたい とは思わず無視していたんです。しかし 先日、ある人から「パリ一のマカロンの 店」と聞いて、パリ一なら試さなくてはと並んで買いました。前述の文 と全く矛盾するようで申し訳な いですが、ここではまるっきり 聞くアホです。これで確か36 ユーロ。やっぱりうまかったで す。「モノプリ」(ウールワー スのようなスーパー)で買うマ カロンとは段違いでした。
 
Au revoir.
(本紙発行人 坂井健二)

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