発行人の パリ便り 最終回

発行人のパリ便り 発行人のパリ便り

発行人の パリ便り

最終回

月並みな言い方ですが、あっという間に6カ月が過ぎパリ便りも最終回となりました。ただ6カ月程度のステイでは、パリがどうとかこうとかとうんちくを傾ける資格はないと思いますね。それほど、パリは重厚な歴史と伝統を持ち、奥行きの深い街だと思うからです。それで最後は、6カ月のステイ中感じたことを思いつくままに。

フランソワーズ・モレシャンというパリ出身の女性は、言ってみれば日本で外タレのはしりのような方で、たぶん現在70代だと思います。今はテレビで見かけることも稀ですが、音楽プロデューサー、映画評論家、翻訳者など多彩な顔を持つ永滝達治氏と再婚され、金沢に住んでいらっしゃいます。

2人の共作のブログがあり、フランス人論、日本人論、パリ、金沢などについて語られ、とても興味深くときどき覗いています。その中でモレシャンさんが“冬にパリへ里帰りするのはとても億劫、なぜならただでさえ不機嫌なパリっ子が、曇り空が続く冬にはますます不機嫌になるから”というのがあって、ある程度覚悟をしていたんですが、結論から言うと、不機嫌どころか親切な人が多かったです。今でもハッキリと覚えているのは、メトロのチケットを買う時に助けてもらった人です。

その夜7時ごろ、8時に約束があり、目的地に向かうためサンジェルマン・デ・プレのメトロ(ここは数少ないスタッフがいるメトロ)に行くと、事務所には誰もいない。クローズではなかったので、たぶんトイレにでも行ったのだろうと待っていても誰も姿を現さない。時間がどんどん過ぎていく。仕方なく自動販売機で買おうとしても、(現金を持っていなかったのでカードで)何が何だか分からない(チケットの買い方の英語バージョンはもちろんあります)。誰かに教えてもらもらおうと思っても、ちょうどラッシュ・アワーで声をかけられる雰囲気ではない。時間がさらに過ぎていく。泣きたい気持ちというのを久しぶりに経験しました。その時、中年の男性が声をかけてくれ、お互いの身振り手振りでコミュニケーションをし、カードでチケットを手に入れてくれた時は、本当に嬉しかったです。何度も何度も「サンキュー」を繰り返し、構内を走りました。ま、でもどこの国でも親切な人もいれば、冷たい人もいるということだと思いますが。

発行人のパリ便り 発行人のパリ便り

パリはファッションとモードの都として名を馳せていますが、去年の冬は地味だなというのが印象でした。ほとんどの男女が黒のコートを着ていました。それだけに、街中で上から下まで赤やオレンジ色で統一した女性(ほとんどが60代以上の熟年者)を見かけると、一種の清涼剤のようでスカッとした気分がしましたね。

いつも思うことですが、パリっ子は老若男女、スカーフの使い方が上手です。日本でもオーストラリアでも、スカーフが人気アイテムになってきていますが、彼らは年季が入っています。聞くと、良家の子どもは、親から良質のカシミアのスカーフを1つプレゼントされるそうです。

食の都でもあるパリ。確かにさまざまな料理が味わえますね。ただ、やっぱり日本に勝る国はないと思いました。そうそう、オペラ座界隈には日本食レストランや特にラーメン・ショップが林立していますが、これまでパリっ子はこんなのがラーメンだと思って喜んでいるんだと冷ややかな目で見ていましたが(どの店も行列ができるほど大盛況)、今回もいろいろ試しましたが、味が日本のと変わらないほどにレベル・アップされており感心しました。それからケーキ・ショップが多いのも特徴です(なぜか薬局も多いです)。

そして芸術の都パリ。美術館巡りは定番で、ま、これまで一応のものは鑑賞ずみですが、もう1度ルーブル美術館の「モナリザの微笑み」を再鑑賞しようと思っていたんですが、通る度に大行列で不甲斐なくもパス。

発行人のパリ便り

こう書きながら、パリはさまざまな超一流の顔を持つことに改めて気付きました。6カ月があっという間に過ぎるはずです。 これまで海外の街で、半年ステイしたことはなくパリが初めてでしたが、時間があっという間に過ぎ、とても楽しいステイだったと振り返ることができるのは、とてもラッキーだったなと思っています。

 

 

Au revoir.
(本紙発行人 坂井健二)

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