第91回 西部古墳祭

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第91回 西部古墳祭

ご機嫌いかがですか、れんです。

11月4日(水曜日)~17日(火曜日)の間、チャツウッドにあるコンコースのアート・スペースで、れん倶楽部会員による書作品の展覧会を開催いたします。1点の作品に早い人は8月から取り組みました。じっくり3カ月かけて練ってきたのです。書はサササッと数秒で書いてハイでき上がり、というイメージを持った方に大勢お会いしてきましたが、実際の作品作りはそう簡単ではありません。何度も何度も一瞬の積み重ねに挑み、磨きをかけていくのです。古典の臨書を中心にした日ごろのお稽古も大事ですが、時間をかけて自分でイメージした自らの作品に挑むことはひときわ大事です。1つの文言を色々な角度から検討し、墨色を考え、サイズを考え、空間を考え、さまざまな要素のバランスを考えながら揮毫(きごう)するのです。その集大成をぜひ観にいらしてください。

さて、南九州は宮崎県の西都市に「西都原古墳群(三百余基)」があるのをご存知でしょうか。標高70メートルほどの丘陵に形成された日本最大級の古墳群です。

今から1,700年ほど前、弥生時代が終わった3世紀末から7世紀末ごろまでの400年余り、各地で巨大な墓作りが行われた時代を「古墳時代」と言います。西都原古墳群には、前方後円墳31基、円墳279基、方墳1基、地下式横穴墓11基、横穴墓12基の古墳があります。前方後円墳の形が定まる前の古墳時代前期に作られた「柄鏡形類型」と呼ばれる前方後円墳の存在や、地域を統括する首長の墳墓とされる前方後円墳がほぼ同時期に形成されていることなどが大きな特徴だそうです。

その西原市で11月の第1土・日曜日に、この古墳群三百余基に対して「西都古墳祭り」が開催されます。今年は11月7日と8日の両日です。

600年ほどさかのぼった室町時代、4代将軍足利義持のころには「天孫降臨祭」「山陵祭」として行われていたことが地元の三宅神社記録にあります。それが「御陵墓祭」となり、昭和の末に今の「古墳祭り」になりました。

初日は神楽まつり、古墳時代の衣装で行う松明行列、また日向神話のうちのニニギノミコトとコノハナクサヤヒメを主人公にした話を再現する炎の祭典(主人公2人の演者は独身に限る)が、そして2日目は式典と、国の選択無形文化財である神楽・下水流臼太鼓踊りや、地元の伝統芸能の奉納行事が行われます。

それにしても教科書で習ったのは仁徳天皇陵(大阪府堺市)など近畿地方の古墳くらいだったので、恥ずかしながらこんなすごいものが九州にあることを知りませんでした。祭り期間中は普段立ち入り禁止の『男狭穂塚』『女狭穂塚』(宮内庁陵墓参考地)敷地内に入ることもできるそうで、一度行ってみたいと思います。

では左の作品を。動きのある行書にしました。リズム良く筆を走らせることを心がけて一気に書きました。特に「都」は3画目でグッと左に沈んだ後、ぐるんぐるんと右上に跳ね上っていき、一度小さく戻った後はぶるんと大きくひと回りします。そしてそこから最後まで書き進めていく間に、段々と筆の穂先が乱れていくのがお分かりになると思います。その乱れもまた自然の流れのうちですからそこに趣きが生まれてきますね。一気に書く場合は、文字の中のどこに白を取るのか、どこを潰して黒くするのか、きちんと決めておいて書くと良いですね。


著者プロフィル
れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。写経クラス開設。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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