第94回 閏日

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第94回 閏日

ご機嫌いかがですか、れんです。

私事で恐縮ですが、正月5日未明に父が急逝しました。あまりにも急であっけないことでした。皆さん同じだと思いますが、こういう時に海外在住では連絡を受けてもすぐに日本の家族のところへ駆けつけることができません。飛行機の搭乗券を取って、仕事に支障がないように段取りをつけ、その夜出発しても日本着は翌日。もどかしくいたたまれない時間を過ごさねばなりません。

着いたその夜に通夜、翌日葬儀、初七日法要。母の代わりに役所関係の届けや銀行関係その他の作業など、できることを全部済ませましたが、短い滞在期間はそれこそあっという間で、気持ちを整理する暇もありません。シドニーに戻っても直面する現実との間の距離を縮めきれずに戸惑いを抱え、肉体的疲労もあって、上手く仕事が手につかないまま何日も過ごしました。

父の逝った日はその母、つまり私の祖母の誕生日でしたから「祖母が連れて行ったんだね」と皆言いました。父と祖母は仲良しでした。

父とはどんな存在だったのか、少し時間をかけて考えながら、残された者として前を向いて生きていかねばならないと、そんなふうに思っています。

さて、今年は4年に一度の閏年(うるうどし)です。「閏年は4年に一回来て、2月に閏日(うるうび)である29日が登場する」ということは皆知っていますが、それ以上のことはどうでしょう。

この日は太陽暦の暦と季節のずれを補正する暦日です。ではそれがどうして2月なのかというと、初期ローマ暦の年始が3月1日だったことに由来するようです。つまり2月は年末の月にあたり、それで日数の調節に使われたんだそうです。ローマ暦を改暦したユリウス暦や現行のグレゴリオ暦もこれに準じたので現在も2月に閏日があるというわけです。

日本では明治5(1872)年にグレゴリオ暦を採用。明治5年12月2日の翌日を明治6(1873)年1月1日としました。改暦後最初の閏年は明治9(1876)年です。

では閏日生まれの人の誕生日はどのように扱われるかというと、平年・閏年を問わず、毎年2月28日の午後12時(24時0分0秒)に加齢されるんだそうです。これは「年齢計算ニ関スル法律」で決まっていることのようで、日本国民は全員「誕生日前日が満了する「午後12時」に歳をとる」のです。

しかしながらやはり平年は誕生日が存在しないのが現実なので、「みなし誕生日」が必要になります。誕生日を基準として有効期間を設置する資格、たとえば自動車運転免許などは2月28日をみなし誕生日とするようです。2月生まれだから2月に、という雰囲気があるのかもしれませんね。

それでは作品を。行草の『閏日』です。門構えの崩しはたくさんあって、これはまだ「門」だと分かる範疇だと思います。左の縦画を書いた後に上部真ん中の点を打ち、そのまま左に展開してから筆を返して右へと進めていきます。もっと崩したものになると平仮名の「つ」にちょこんと点が絡んだようなものもあり、そうなってくると判読も大変です。

門構えのはねと角度を合わせる形で「日」の2画目を右肩下がりにしました。そして最終画を右上がりにすることで全体のバランスを取ってあります。小さめの文字は線を太くすると、大きな字に負けない存在感がでてきます。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。写経クラス開設。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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