第96回 有田陶器市

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第96回 有田陶器市

ご機嫌いかがですか、れんです。

デイライト・セービングもいよいよ終わりを迎え、今月3日の日曜日から冬時間が始まります。個人的に、夏の終わりはいつも何だか切なくて、早くなった日暮れに寂しい気持ちにさせられます。冬には冬の楽しみがあるとはいえ、すでに10月の夏時間開始が待ち遠しくてなりません。

冬の夜長には1人静かに物思いにふけることも多くなりますが、皆さんは「スコップ」と「シャベル」について考えたことがあるでしょうか。

私は福岡県の出身ですが、園芸用などに使う手で持つ小さいサイズのものが「スコップ」で、本格的に穴を掘る大きなものを「シャベル」と呼んでいます。そういうと「ちょっと待った」と声を上げたくなる方、おられますよね。小さいものが「シャベル」で大きいのが「スコップ」じゃないか、と。そういうあなたは東日本の出身でしょう。

どうやらこの「スコップ」と「シャベル」、大まかに分けて日本の東と西で呼び方が真逆なんだそうです。では東と西とどちらに正当性があるのか。

日本規格協会(JIS規格)によると、すくう部分に足を掛けるところがあるのが「シャベル」で、無いのが「スコップ」。どうやらサイズの問題ではないようでしっくりきません。こうなるとJIS規格を疑いたくなり、謎は深まるばかり。ちなみに実家が金物屋の私は、園芸用の小さいものが「移植ごて」と呼ばれることを知っていますが、果たしてこれは全国共通なのか。ご存知の方はぜひご一報ください。

さて4月29日(金)から有田焼(伊万里焼)で有名な佐賀県の有田で大々的に陶器市が開催されます。人口2万人余りのこの町に去年は121万人(7日間)の人出があったそうで、ゴールデン・ウィーク中の市のにぎわいぶりが想像できます。2016年の今年は、明治以来113回目。また有田焼創業400年の節目にあたります。

秀吉の時代、朝鮮出兵から戻ってきた肥前国領主・鍋島直茂に同行してきた朝鮮の陶工・李参平が有田東部の泉山で白磁鉱を発見して白磁を焼いたのが始まりとされています。

江戸時代に入って17世紀半ばの技術革新で色絵陶磁が生産されるようになり、オランダの東インド会社による海外輸出が始まります。

当時、日本唯一の磁器生産地であった窯に、鍋島藩は皿役所を設置して職人の保護育成にあたりました。職人の生活を保障しつつ、外界から隔離することで技術の外部流出を防ごうとしたのです。しかし1806年、瀬戸(愛知)の陶工・加藤民吉が潜入に成功して技術が流出。瀬戸焼をはじめ、各地に陶磁の生産が広がることになりました。

ということでこの辺で作品を。行書の「有田陶器市」です。

今回は縦画末尾のハネに注目してください。習字だとハネは45度の角度で斜め上に向かうようなイメージがありますが、それだと台無しになってしまうのが形成される内側の空間です。その空間を美しく見せるには、斜めというよりはほぼ左横に押し出すように持っていくのがコツになります。広くなった分、空白部分が明るくくっきりするのが、「田」や「陶」のハネを見ると分かると思います。もちろんそればかりだと変化がないので、多少斜めに上げるものも混ぜていく工夫が効果的です。文字を明るく見せるためには文字の中の白の調節が非常に重要なので、細かく気を遣って構成することが大切です。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。写経クラス開設。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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