第102回 ケベス祭り

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第102回 ケベス祭り

ご機嫌いかがですか、れんです。

ここのところ毎日楽しみにしてるのが、フォローしているユーチューバーが更新する動画を視聴することです。ユーチューバーとは、インターネットの動画サイト「YouTube」に定期的に自主制作動画をアップロードしている個人やグループのこと。もっと言えば、その動画再生によって発生する広告収入で生活している人たちのことと言ってもいいかもしれません。

その内容はさまざまで、動画を毎日更新する人もいれば、週に1回だったり、とにかく視聴者の興味を引くような動画をアップして収入につなげるわけです。

私は割と実験モノの動画を好んで見ますが、アイデア系の料理動画も面白いと思います。それとは別にあえて1つ何か紹介するとすれば「ハイサイ探偵団」を推します。沖縄のグループで、釣りと釣り上げた魚の料理の動画をよく上げています。個人的には釣りにも魚を料理することにも興味はないのですが、沖縄方言でしゃべる彼らの話のリズムとか、全体に流れる雰囲気が大変穏やかで、時々入るジョークで心がほぐれ、気持ちが癒されます。休憩の時にでもぜひどうぞ。

さて大分県国東(くにさき)半島にある神社・岩倉社で10月14日に行われる火祭りが「ケベス祭」です。以前は旧暦の9月14日に行われていたので九月祭とも呼ばれていました。国の選択無形文化財です。

岩倉社の歴史は古く、平安時代の889年に宇佐神宮の分霊を勧請したとあります。菅原道真が遣唐使を廃止したのが894年ですからその少し前ですね。祭神は仲哀天皇、神功皇后、応神天皇の親子3柱と宗像三女神の計6柱という豪華なお顔触れです。ちなみに神様は“~柱”と数えますので覚えておくと良いと思います。

その由緒正しき岩倉社で行われていて土地の人びとにもなじんでいるにもかかわらず、実に不思議なのがこの祭りです。大分県の公式サイトでは「始まりは1,100年前とも600年前ともいわれるこの祭りは由来も定かではない」、国東市観光協会のサイトでは「起源や由来は一切不明」と紹介されています。しかも「ケベス」という言葉の由来も意味も分からないのです。

内容も奇妙に思えます。境内に作られた炎で燃え盛るシダの山を白装束の「トウバ」と神官が守ります。そこに、宮崎アニメの『千と千尋の神隠し』のカオナシにのっぺらとした鼻だけつけたような気味の悪い面を着けた「ケベス」が突入を試みるのです。これを8回までは失敗し、9回やったところで突破。持っている棒でシダの山をかきまわすとトウバたちもそれに参加。みんなで火のついたシダをもって境内を走り回って参拝者を追いかけます。そしてこの火の粉を浴びると無病息災で過ごせると言われているのだそうです。

こういった祭りには何かしらの歴史的事実を内包していると言われますが、表情のない侵略者に何度も襲われ、何度かの攻防の後に侵され、そして一緒になって周囲に火の粉を振りまくようになる……。一体何があったんでしょうね。

では作品をご覧ください。荒くて粗野な雰囲気が出したかったので、運筆の際にも筆を整えることなく進めました。当然渇筆が増えますが、渇筆も書の重要な要素ですので、意識して使えると良いですね。

本来、直線で形成されるべきカタカナの「べ」に少し曲線を入れたので、「祭」の2画目にも緩んだ線を入れました。直線ばかりの中でちょっとしたアクセントになるかと思います。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。写経クラス開設。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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