第105回 大江幸若舞

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第105回 大江幸若舞

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は何かとご教授賜りまして誠にありがとうございました。本年も変わらずご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ご機嫌いかがですか、れんです。

2017年が始まりました。今年はどんな年だろうと調べてみると、秋田新幹線・北陸新幹線開業20周年、沖縄返還45周年、日本国憲法施行70周年、地下鉄開業90周年などにあたるそうです。

昨年はリオ五輪で盛り上がりましたが、今年は3月7日から22日までの間、プロ野球の第4回ワールド・ベースボール・クラシック2017が開催されます。決勝は日米はじめオーストラリアなど4組計16チームが参加して世界一を争います。日本は第1回、2回大会で優勝。前回13年は3位に甘んじたので、今年は是が非でも世界一の座を取り戻してほしいです。

日本代表の話題の中心は日本ハムファイターズの大谷翔平選手に集まりそうですが、私のひいきの阪神タイガースからも誰か選ばれてくれればいいのですけど(前回は能見、鳥谷の両選手が出場)。ともあれ侍ジャパンの活躍を心から期待しています。

さて福岡県みやま市の大江天満神社で毎年1月20日に奉納されているのが『大江幸若舞(おおえこうわかまい)』です。能や歌舞伎の原型と言われており、1976年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

「幸若系図」によると幸若舞曲を創始したのは桃井直詮(なおあき)で幼名は幸若丸(名前の由来)。そしてその子弥次郎の弟子山本四郎左衛門が大頭流を創設。その孫弟子の大沢次助幸次が1958年に九州の筑後に招かれてから広まったのが大江幸若舞です。明治以降、禄を離れた各地の幸若舞は廃れ、大頭流の大江幸若舞だけが今に残っています。

幸若舞は語りを伴う曲舞(くせまい)の一種で、武士の華やかだけれども哀しさを伴う物語をテーマにしています。曲舞とは単に舞とも言い、節と伴奏のある歌舞のこと。足利時代から安土桃山、そして徳川幕府初期に隆盛を極めました。曲目は古伝説物、源氏物、平家物、判官物、曽我物とそのほか合わせて44番あります。

「判官(はんがん)」は律令制の四等官の3番目の官のこと。地方行政を管理する勘解由使(かげゆし)などが相当します。しかし京都の治安維持を執り行う検非違使(けびいし)に限っては「ほうがん」と読んだそうです。曲目にある「判官(ほうがん)物」の判官とは源九郎義経(義朝の九男)のこと。彼は後白河法皇から検非違使に任ぜられたので「九郎判官」と呼ばれます。「判官贔屓」も「ほうがんびいき」が本来の読み方のようです。

大江の幸若舞保存会によって八曲の節回しが口承復元されていましたが、2008年に初めて復元演舞された「敦盛」の一節「人間五十年、下天の内を比ぶれば、夢幻のごとくなり」は織田信長が桶狭間の戦いの出陣前に舞ったとされていて特に有名ですね。

では作品です。「大江幸若舞」を隷書木簡風に書きました。全体を正方形に近い形に収めようと思い、各文字を潰しに潰しました。横画が荒れないように、縦画が必要以上に長くならないように注意します。こういう時に「白」の部分の存在の大切さが浮き彫りになるでしょう。例えば「若」の口の右側部分、ちょっとでも白があるのとそうでないのとは大きな違いがあります。黒で潰されていては口に見えませんものね。

それでは今年も健康第一で、すてきな年になるように頑張りましょう。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に書家として参加。2016年シドニー総領事表彰を受ける。書団れん倶楽部主宰。チャッツウッドで書道教室運営。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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