第108回 茶盛

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第108回 茶盛

ご機嫌いかがですか、れんです。

今年ももう4月ということで日本では新年度が始まりました。書道教室RENCLUBで開催している実用技能英語検定(英検)と日本漢字能力検定(漢検)も新年度になります。主催は日本英語検定協会と日本漢字能力検定協会とで違いますが、各々年間に3回の実施を予定しています。

今年は英検が第1回6月3日(土)、第2回10月7日(土)、第3回2018年1月20日(土)の実施。漢検が第1回6月18日(日)、第2回10月28日(土)、第3回2018年1月27日(土)の実施となっています。

それぞれ締め切りは大体その1カ月前ですので、2カ月くらい前にお問い合わせ頂くと申し込みを受け付けられます(両検定とも第1回の受け付けは既に始まっています)。

英検、漢検ともに学生諸君の帰国子女入試には必要なポイントである場合があります。また漢検は学生に限らずどなたでも受検可能。「読めるけれど書けない」という声をよく聞きますが、日本人として日本語を「読めて書ける」を目標に勉強してトライしてみるのもいいですね。

両検定ともNSW州で準会場として一般募集しているのはRENCLUBだけですので、ぜひお役立てください。

さて真言律宗総本山である西大寺(奈良県奈良市)では4月の第2土曜日、日曜日に「春の大茶盛式(おおちゃもりしき)」が開催されます。

西大寺の創建は奈良時代。聖武天皇が平城京の東郊に東大寺を創建したのに対し、その娘の称徳女帝の勅願で京西の地に伽藍(がらん)が開創されました。南都七大寺の1つであり、総面積約48ヘクタール(東京ドーム約10個分)という広大な境域に、薬師・弥勒(みろく)の両金堂、東西両塔など百十数宇もの堂舎が甍(いらか)を連ねる壮麗な大伽藍でした(※「宇」はお堂を数える単位)。

平安遷都により一旦寂れてしまいますが、鎌倉時代半ば、叡尊上人(えいぞんしょうにん)によって密教(真言宗)・律宗研修の根本道場として再生します。

大茶盛式は1239年1月6日に叡尊上人が八幡神社に献茶した余りのお茶を民衆に振る舞ったことに由来する、800年近くも受け継がれてきた宗教的茶儀式です。「戒律復興」を目指した上人は「酒盛」の代わりに「茶盛」として不飲酒戒の実践とし、また「民衆救済」のために当時は高価な薬だったお茶を民衆に振舞うことで医療・福祉の実践としました。更に同じ1つの大きな器でたてた同じ味のお茶を、そこにいる人びとが同じ茶碗で回し飲みして和合を深める「一味和合」の実践も行ったのです。

使うのは大きなものだと直径約40センチ、重さ約7キロもある大茶碗で、1回で7~8人分になるそうです。ちょっと1人で抱えては飲めないので、両隣の人に支えてもらいながら茶碗を口に運びます。初めての人に果たして味が分かるのか多少疑問ですが、それでも「和合」の気持ちは伝わる気がします。

それでは作品を。行書の「茶盛」です。落ち着いてそそと振る舞うお茶というより、大茶碗でドンと出す気前の良い雰囲気を作ろうと思いました。特に縦画はたっぷりとさせてあります。「盛」の「成」の部分の書き順を間違えやすいので注意してください。1画目は左部の縦からの左払いで、2画目が横画になります。この部分、逆に覚えている方を割合多く見かけますので、ぜひここで覚えてしまってください。行書にしてつなげた場合に全く違う形になります。間違った書き順では美しい形には成り得ません。正しい書き順はとても大切なのです。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に書家として参加。2016年シドニー総領事表彰を受ける。書団れん倶楽部主宰。チャッツウッドで書道教室運営。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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