第111回 会津田島祇園祭

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第111回 会津田島祇園祭

ご機嫌いかがですか、れんです。

書道教室には鉢植えが幾つか置いてあり、その中にシクラメンと胡蝶蘭(こちょうらん)があります。シクラメンは4年前の個展の際に頂いたもの、胡蝶蘭は昨年のRENCLUBの会員作品展の際に頂いたものです。

シクラメンは同じ鉢で植え替えをしていませんが、4年目の今年もまだまだ濃いピンクの花をたくさん咲かせてくれています。胡蝶蘭は2年目に咲かせるのは難しいと言われていましたが、幸運なことに新しい茎が伸びてきました。順調にいけば花が咲くのが見れそうで、今から楽しみにしています。

どんなものでも「育てる」というのは難しいことですが、そこには「甲斐」がありますよね。無責任では居られないから心を砕きますし、その分、無事に育てばうれしいものです。

たまたま教室の環境が彼らに合っていたんだろうと思いますが、日々の楽しみの1つとなってくれていて、とてもありがたく感じています。

さて、毎年7月22日から24日は、福島県南会津郡の田出宇賀神社と熊野神社で「会津田島祇園祭」が開催されます。祇園と言えば京都の八坂神社の祇園祭ですが、これに福岡市・櫛田(くしだ)神社の博多祇園山笠を加えて、日本三大祇園祭と呼ばれています。

この祭典は9組の当番「お党屋組」が1年間、党本の家を支えて祭事を担当する「お党屋制度」で運営されています。前年のお党屋組「渡し」と、当年の組と、翌年の「請取り」の3組が1年掛かりで祇園祭を作りあげるのです。1981(昭和56)年に「田島祇園祭のおとうや行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。

起源は鎌倉時代(文治期1185年ごろ)の後鳥羽天皇の御世(みよ)にさかのぼり、既に830年以上の歴史があります。当時の領主は長沼宗政。源頼朝の奥州合戦や、後には後鳥羽上皇との戦である承久の乱にも従軍するなどして武勇を高めた人物です。『吾妻鏡』では気性の荒さを突かれていて、3代将軍・実朝が文人肌なのを批判して出仕を止められたほどの「荒言悪口の者」と記されています。

その宗政は祇園信仰者で祇園神・牛頭天王須佐之男命(ごずてんのうすさのおのみこと)を祀(まつ)りました。旧来、田島の鎮守だった田島宇賀神社の例祭に、宗政が祇園祭の制度を組み合わせたのが始まりとされています。

22日の宵祭(よいまつり)は例大祭(れいたいさい)の後にお党屋本(とうやもと)で先述の三組が揃い「請取(うけとり)渡し」が行われます。夕方には大屋台が運行されます。各町内の中学生以上の男子が大屋台を押し、定められた氏子の家である「芸場」に向かい、その前で子ども歌舞伎が披露されます。

本祭の23日は「七行器(ななほかい)行列」です。7つの行器(儀礼の際の食物運搬に用いられた容器)に盛られた御神酒(おみき)や赤飯などをお党屋組の男女(両親持ち)が奉納する神事で、祭礼中最高の儀式です。行器(ほかい)の奉持者の他、各々役向きを持った百余名が早朝にお党屋組本陣を出発し神社まで行列します。この日はたくさん行事があり、神輿発輿に屋台運行、祇園太鼓も披露されます。

では左の作品を。行書の「會津田島祇園祭」(「會」は「会」の旧字体)です。運筆の連綿を心掛けました。よく知っている文字であれば、どこをどうすればどうなるというのが分かっているので、こういう作業がしやすくなります。それには過去にどれだけ練習をしてきたか、ということが鍵となるでしょう。連綿線を多用することは空間をより多く切り取ることになります。くっきりとした白を出してあげることが出来れば、作品に明るさをキープ出来ると思います。


著者プロフィル

れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に書家として参加。2016年シドニー総領事表彰を受ける。書団れん倶楽部主宰。チャッツウッドで書道教室運営。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: nagominoma.com/renclub
Email: renclub@gmail.com
動画: youtube.com/user/renclub

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