ご機嫌いかがですか、れんです。
朝晩の寒さも少し和らいで、ようやくシドニーも春の装いですね。温かな日差しの下、道端に咲く花々が風に揺れている姿はほのぼのとして何とも微笑ましいです。
今月は2つのイベントにお誘いを受けました。1つは3回目の出演になるキャンベラ・ナラパークのキャンドル・フェスティバル(燈籠祭)で、今年は18日の土曜日に行われます。キャンベラと奈良はいずれも都市計画されて造られた首都として姉妹都市の関係にあり、毎年この時期に祭が開催されています。
もう1つはカウラの桜祭り・慰霊祭関係のイベントで、23日に書道のワークショップを行います。桜祭りは25日の土曜日、翌26日の日曜日が日本人英霊の慰霊祭になります。カウラは太平洋戦争時に捕虜収容所があったところで、1944年8月5日に集団脱走事件が起こり多数の死者が出ました。現地には戦没者記念墓地があり、脱走事件の死者も含め、戦争中に亡くなった方々が埋葬されています。
さて、今月は「敬老の日」についてです。現在は9月の第3月曜日が敬老の日として祝日になっていますが、それまでは9月15日でした。
1947年9月15日に兵庫県で「としよりの日」として敬老会が開かれたことを発端とし、それが全国に広がって、1966年に「敬老の日」として国民の祝日となりました。なぜ9月15日かということについては、飛鳥時代、聖徳太子が四天王寺(大阪)を建てた際に設置した四院中の1つである悲田院(他は敬田院、施薬院、療病院)が老人ホームのような施設で、その開設日をあてたという説があります。また、奈良時代の女帝・元正天皇が717年に養老の滝(岐阜県)へ行幸した日だという説もあります。そのほか、単に農閑期で気候がいい9月中旬だからという説もあるようです。
この日はお年寄りの方のこれまでの社会貢献に感謝し、長寿を祝う日です。ご存知の通り日本は世界一の長寿国と言っても過言ではありません。社会の高齢者の人口比も21%を超えて超高齢社会(14%超で高齢社会、7%超で高齢化社会)となりました。それに伴う問題も山積ですが、お年寄りが楽しく快適に生活できる社会になるといいですね。
では左の作品をご覧ください。今月は久しぶりに楷書で書きました。背筋をしっかり伸ばしたピシッとしたイメージで、心からの敬意を表しています。
楷書と言えば小学校の習字の時間に起筆の角度は45度とか、収筆は上がちょっと山になってお尻は重くならないようにとか、かなり厳格にスタイルが決められていましたよね。もちろん「習字」は手本をコピーしてきれいな字が書けるようにするのが目的ですからルールが厳格で当然です。しかし「書」の世界は違います。それにこだわる必要はありません。たくさんの古典を臨書していけば、それが分かります。
左の作品には「習字」で習った起筆も収筆も使われていませんが、紛れもなくこれも楷書です。よく「習字と書道の違いは何ですか」という質問をされますが、これが1つの答えになると思います。
楷書をすっきり美しく見せるには、迷いのない強く美しい線が必要です。それには運筆の技術はもちろん、安定した精神も求められます。書には自分の精神の状態が見事に投影されますから、自分の心を深く見つめたくなったら筆を持つのもいいと思いますよ。
15日から1週間は老人週間だそうですが、お年寄りだけでなく、他人を「敬う」という行為を改めて考えてみようと思います。
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著者プロフィル
れん(書家)。アーティストとして永住権を取得。シドニー市内「東」「四季」「誠」「だるま」「霞」「iiza」の各レストランに作品を常設。Government Houseでの企画展参加をはじめ、日豪両国およびドバイで個展・グループ展を多数開催。NSW州立美術館やChannel 7、在豪日本大使館の招聘によるキャンベラ「燈籠祭り」、在オークランド総領事館の招聘による「JAPAN DAY」での大書パフォーマンスも。書団れん倶楽部主宰。書道教室運営。
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