第74回 金沢百万石祭り

書家れんのつきいち年中行事
© All rights reserved to RENCLUB

 

第74回 金沢百万石祭り

ご機嫌いかがですか、れんです。

待ちに待った6月がやってまいりました。シドニーでは真冬感のある月で、個人的にはいつも気分が下降気味の季節ですが、そんなどんより感を一気に吹き飛ばしてくれるのが今年ブラジルで開催される2014FIFAワールド・カップです。サッカー・ファンはもちろん、日ごろサッカーにあまり興味のない人でも国対抗の熱い戦いには胸が騒ぐはず。

6月12日、グループAのブラジル対クロアチア戦から始まって、グループCの日本は14日のコートジボアール戦で初戦を迎えます。そのコートジボアールのFIFAランク(5月8日現在)は21位。同グループのコロンビアは5位、ギリシャが10位。そして日本はちょっと低めの47位。これだけみると断然「日本不利」の様相なのですが、なんとかこの3カ国を蹴散らして決勝トーナメントに勝ち進み、サムライ・ジャパン旋風を巻き起こしてほしいものです。

話が変わりますが、石川県金沢市と言えば、加賀百万石・前田家の城下町。人口46万人強の北陸の主要都市です。来春の北陸新幹線の開業を目前に、東京から乗り継ぎなしの2時間半の距離を新たな武器として、ビジネスの拡大に大いに活気づいています。

その金沢市では6月6日から3日間、恒例の「金沢百万石祭り」が開催されます。昨年は40万人もの観客でにぎわいました。

金沢の歴史は前田家とともにあります。信長亡き世の天下取りを決めた賤ヶ岳の戦いで秀吉が柴田勝家に勝利した後、秀吉に下った前田利家が尾山城(金沢城)に入ります。1583年6月14日のことです。そして1599年の利家逝去の翌年、関ヶ原の戦いで敗れた西軍・利政(利家次男)の所領が、東軍の利長(利家長男)に安堵されます。これで前田家は加賀、能登、越中の三国百万石を有する大大名となるのです。1石とは大人1人が1年間に食べる米の量に相当するので、加賀藩は百万人を養う大藩というわけです(ちなみに1石は千合(十斗=百升)なので、大人1人が1日およそ3合弱、朝昼晩3食とすれば、1回1合弱の米を消費すると計算されていたことになりますね)。

前田家は石高では次席の薩摩藩に大きく差を付けた日本一の外様大名で、徳川御三家などに準ずる準親藩の扱いを受けていました。参勤交代の際には2,000人の家来を従えた大行列を形成。片道だけでも現在の価値で約7億円が投入されたそうです。

その前田家の大名行列を彷彿とさせる豪華絢爛な「百万石行列」がこの祭りのメイン・イベントです。金沢駅東広場に2005年に完成した、伝統芸能・加賀宝生能(かがほうしょう)の鼓を模した大門「鼓門」を出発し、石川門から金沢城に入城します。祭りの横断幕を先頭に、音楽隊、獅子舞、神輿、仮装行列など、4時間にわたり華やかなパフォーマンスが繰り広げられます。そして今年は俳優の原田龍二さんと菊池麻衣子さんが「利家とまつ」に扮して行列に花を添える予定です。また市内の児童生徒約1万人が提灯や太鼓を持って市内を練り歩く「子ども提灯太鼓行列」も秀逸です。

では作品をご覧ください。荒い線を混じえ、武家の祭りをイメージして書きました。この場合には渇筆がポイントになります。「万」から「石」にかけてはゆっくり粘りのある運筆で、そして「石」の2画目でスピードを速め、そして墨がなくなって縺れる毛を我慢して纏めつつ「口」を形にしました。「ま」のフィニッシュ部分にも大きな渇筆が作れたのでバランスが取れました。線の太細潤渇を自由に扱うことで作品のクオリティーを高めることができるのです。


著者プロフィル
れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。GovernmentHouseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。東日本復興支援「プロジェクト名もない絆」のメンバーとして支援地と被災地をつなぐ活動中。

Web: renclub.net
Email: renclub@gmail.com
動画:youtube.com/user/renclub
UST: ustream.tv/user/obiyoshiyuki

 

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る