第69回 左義長

書家れんのつきいち年中行事
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第69回 左義長

ご機嫌いかがですか、れんです。新年明けましておめでとうございます。

旧年中は何かとご教授賜りまして誠にありがとうございました。本年も変わらずご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2014年が颯爽とスタートしました。今年もいろいろなイベントがある中、ビッグ・イベントが2つ。まず2月にはロシアでソチ冬季オリンピック大会。そしてお待ちかね、6月に2014FIFAワールドカップ・ブラジル大会が開催されます。日本は5大会連続5回目の出場。グループCでコロンビア、ギリシャ、コートジボワールと戦って決勝リーグを目指します。五輪もW杯も是が非でも勝ち抜いて、最後まで世界中を沸かせてもらいたいものです。

さて、新年の14日夜または15日朝、全国的に正月の飾り物などを集めて焼く火祭行事が行われます(旧正月または3月開催の地域あり)。その呼び方はいろいろで「左義長」「さいの神」「どんと祭」「お焚き上げ」などほかにもいくつかありますが、門松や注連縄飾りによって出迎えた歳神様を、それらを焼くことで見送るお祭りです。

その火で焼いた餅を食べると年中の病を除くと言われています。私の田舎では「どんど焼き」と言いますが、近所の畑(はた)という地域では竹と藁わらで「おこもり小屋」を作り、2週間ほど「おこもり」の行事を経て、最後の夜に小屋ごと燃やしてしまいます。豪気ですよね。

左義長の起源には諸説あるそうですが、平安時代、小正月に宮中の清涼殿で青竹を束ねて毬杖(ぎっちょう)3本を結び、さらに扇や短冊を吊るし、陰陽師が謡い囃(はや)しながらそれを焼いて鎮護国家と五穀豊穣を祈った行事を起源とするのが有力のようです。毬杖とは、当時の貴族の正月遊びであった「打毬の楽」というホッケーのように左右に分かれて毬を打ち合う遊びに使う杖のことです。「ぎっちょう」を3本結ぶので「さぎちょう(三毬杖)」と呼ばれるようになったとか。『徒然草』(吉田兼好/鎌倉時代)の第180段にも「さぎちやうは、正月に打ちたる毬杖を、真言院より神泉苑へ出して、焼き上ぐるなり」と紹介されています。

しかし「三毬杖」から「左義長」への漢字の変化についてはきちんとした説明ができないようで、江戸時代の百科事典とされる『守貞漫稿』には既に「左義長」とあるのでその間に何らかの理由で変化したのでしょう。

 

では作品をご覧ください。行書草書を混ぜながら少しオーバーにデフォルメを加えてまとめました。どちらかと言えば縦長な3つの文字を決められた空間にどう収めるかが課題です。「義」の頭の部分を「左」の空間に、「長」の頭を「義」の空間にはめ込むように文字の形を作ってあります。「長」の草書体は縦長横長両方に使用できるのでたいへん重宝です。

先に楽しみがあるというのはたいへん喜ばしいことで、「ちょっとがんばろうかな」という気持ちを起こさせてくれます。新年ということもあり、湧いてきた1年の抱負を毛筆でしたためると、さらにくっきりとした目的意識が確立されます。そこから派生して「カッコよく書きたい」という欲が出たら、書道を始める最高のタイミングです。年末には驚くほど字が上手くなった自分の姿を想像して、ほくそ笑むのも一興ですよ。特に料理人やそれを目指す方々は必須なのではないかといつも思うところです。


著者プロフィル
れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』の製作に書家として参加。書団れん倶楽部主宰。チャツウッドで書道教室運営(月〜土)。東日本復興支援「プロジェクト名もない絆」のメンバーとして支援地と被災地をつなぐ活動中。

Web: renclub.net
Email: renclub@gmail.com
動画:youtube.com/user/renclub
UST: ustream.tv/user/obiyoshiyuki

 

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